酒場にある階段を登り隠し板を退かすと日の光が差し眩しい光に目を細める。
そのまま短い梯子を登ると天窓から光差す明るい部屋にたどり着いた。
様々な文化が降り混ざる雰囲気で様々な色彩の衣装と幾つかの楽器が飾られている
反面家具と呼べる物は部屋の隅にある大きな枕が乗ったベッドと化粧台、簡素なテーブルと燭台だけ
ここはミルヴィの部屋のようだ

ある騎士のお話

昔々とある世界に一人の悪魔がいました。
彼は自分の悪魔としての性質を嫌い、自分の側にいた女の子を守るために自分の性質を捨て去る事にしました。
そして彼は努力と修行の末についに女の子を守る騎士となりました。
しかし騎士は苦悩しました、彼は本来愛を餌とする悪魔で女の子に恋をしてしまったのです。
自分が彼女を想う程に彼女を求めてしまう、しかし彼女を守りたい。
側にいるほど彼は苦しみました、
いつしか女の子には大切な人が出来ました、それが自分でなかった事に彼は苦しみましたが安心もしました。
これ以上彼女の側に居ては自分が彼女を傷付けてしまう、そう思った彼は彼女に別れを告げて友達の竜と共に遠くへ旅立ちました、いつか苦しみを克服して彼女を守るために…遠くへ、遠くへ…

今は騎士がどこで何をしているのか誰も知りません。

おしまい