酒場にある階段を登り隠し板を退かすと日の光が差し眩しい光に目を細める。
そのまま短い梯子を登ると天窓から光差す明るい部屋にたどり着いた。
様々な文化が降り混ざる雰囲気で様々な色彩の衣装と幾つかの楽器が飾られている
反面家具と呼べる物は部屋の隅にある大きな枕が乗ったベッドと化粧台、簡素なテーブルと燭台だけ
ここはミルヴィの部屋のようだ

ようやく落ち着いたかねぇ…
アタシもこれから動けるな、忙しい事が多くてワクワクしてきたよ。

ん、新しいのが届いたね。
これを向ける相手はアタシに現れるのかねぇ？
ま、どうでもイイか、ンな事ぁ。

しっかし、図書館で見つけた昔話を詩っぽくしたのはイイが…
本当に救いがねぇな……
こんなのはアタシの作風じゃねぇな(ビリビリと破り捨てた)
こんな未来にならねぇようにアタシらは呼ばれたんだからな。
しっかりやんねぇと。

お？　ナールも来たようだね、部屋用意してやんなきゃな(立ち上がってバタバタと隣の部屋に入っていった)

ナールの部屋の準備も終わった、こんなモンでイイだろう。
うちの最初の住人だ、大事にしてやりてぇな。

(…新しい依頼書を見て険しい表情になる)……こりゃあ孤児院の仕事かい…
っとに胸糞悪ィな！(ドンと床を殴り、拳から血が滲んでいる)
……多分アタシには縁は無さそうだが申請するだけしてみっか。
ああいう連中があんな依頼出してくンのは心底胸糞悪いったらネェ
どンなに堕ちても弱いモンに手ェ出すわけにゃいかねぇンだ。

ある騎士のお話

昔々とある世界に一人の悪魔がいました。
彼は自分の悪魔としての性質を嫌い、自分の側にいた女の子を守るために自分の性質を捨て去る事にしました。
そして彼は努力と修行の末についに女の子を守る騎士となりました。
しかし騎士は苦悩しました、彼は本来愛を餌とする悪魔で女の子に恋をしてしまったのです。
自分が彼女を想う程に彼女を求めてしまう、しかし彼女を守りたい。
側にいるほど彼は苦しみました、
いつしか女の子には大切な人が出来ました、それが自分でなかった事に彼は苦しみましたが安心もしました。
これ以上彼女の側に居ては自分が彼女を傷付けてしまう、そう思った彼は彼女に別れを告げて友達の竜と共に遠くへ旅立ちました、いつか苦しみを克服して彼女を守るために…遠くへ、遠くへ…

今は騎士がどこで何をしているのか誰も知りません。

おしまい

……ま、これは何とか唄になるかね？
しかしあの図書館はどうしてこんな話が多いンだ。
たまにはハッピーエンドを書きてぇモンだよ…やれやれ

タイトルをつけるなら「竜騎士アインハルト」ってとこか。
どういう呪歌になんだろうねえ、ま、当分先か、ふふっ。

へっへっへー新しいのだ！
いいなーこの表情、こうして笑ってりゃ色んなヤナ事もぶっ飛ばせるってモンさ。
絵師サンにはホント感謝だな！ありがとね！

(依頼書を確認しそれをダーツに刺すと、そのままヒュンと壁のボードに投げる)
…行けなかった、か、悔しいなァ……(ぎゅっと拳を握り締めて歯噛みしてふっと表情を緩め)
…けどセンパイが行ってくれるんなら良かったヨ。
あの人ならきっと悪いようにゃしねぇ、あの子達の事、頼むね……(祈るようにベッドの上で身体を縮めて座り込み、そのまま眠ってしまう)

(ガバッと起きた)よっしよく寝た！
今日も１日ガンバ……(テーブルに置かれていた灰色の封筒に気付いて顔がさーっと青く染まり
手紙の内容を確認する事で涙目になる)
(ベッド飛び込んで毛布にスッポリくるまってガタガタと震える)うぅ……やだやだ怖い、ホント助けて……

風が吹いてみんなを撫でる
１日お疲れ様って誉めてくれる
森も草原も嬉しそうになびくよ
風は吹くよ命を運んで

恥ずかしい…(詩を本棚に閉まって)
こういうのも練習かなー？

(ドタバタと書きかけの詩で散らかってた部屋を部屋を片付けて)
ゴメンね、待たせちゃって
ナールいらっしゃい(ナールの手を引いて招く)

わ、わぁ…！すっごい！隠し部屋だー！！秘密基地みたいっ！！（手を引かれながらきょろきょろ）
ね、ね、どれが詩？これ全部そう？（本棚じーっ）
あれは！？あ、あとかかってるのは全部衣装？！（ボードを見たり壁の衣装を見たり）

ふふっ　隠し部屋と言うか天井部屋と言うか…
お店が地下だからそンな感じにしてるの…ってわわッ！
もー！　大体はそのネタにする昔の話とかだよ！(慌てて本棚のファイルを後ろ手に隠し)
ウン、そーだヨ、ナールも何か着てみる？(適当に見繕いながら)

大体はって事は一部は詩って事？（首こてん）
なんで隠すのーっ？
絶対胸が余る！あと綺麗だし商売道具は汚すの怖いもん！（手をばってん）

そうだよー♪
うー…ちょっと恥ずかしいダケ、別にイイヨ(頬掻きながら)
ナールもすぐこの位になるって♪(自分のを確かめて)
沢山替えはあるからいいのにー(残念そうに笑って)

ネーアが新しく来たヨ、ヨロシクね！

見たいな！読みたい！
…ミリー、この世には越えられない壁ってゆーのがあるんだよ！どー見ても無理でしょー！（つるぺったん）
ほんとっ？ここにあるのだけじゃなくてしまってるとかっ？（きょろきょろ）

わぁい仲間が増えたんだね！同居人だー！

ナールはまだちっちゃいからすぐだってば
アタシもナールん位ン時そんくらいだったしね！
(ごそごそ…)よし…こっちにあるよー(奥のクローゼットを開くと少し小さいサイズの衣装が出てくる)アタシがもう少し小さかった頃の奴かなー？

ミリーボクのこと何才だと思ってるのー！ボクもう14！だよっ！
わ、わ、ほんとだ…！これなら…いけるかもっ…！？（じーっ）

うーん…12くらい？
ええっ　ゴメンよ、でも女の子ってここからだよ　大丈夫サ(慌ててよしよししてやりながら)
ふふー何がイイカナー?　あ、これかなー？(ストレートワンピース風の上が白と下が黒のデザインの服を取りだし)

むーっ…（よしよしですぐに笑顔に）えへへー、うん、そーだよね
ボクもミリーみたいにばいんって！なるんだ！
すごいかわいいっ！
シンプルなのもあるんだね！もうミリーは…（じー）着れなそうだね、うんっ
これ着てみていーのっ？

むー…アタシはそんなに大きいのカナ
ローレットにはもっと大きい人達いるじゃン？
ナールもこれからだネ、けどばいんはなんか恥ずかしいからダメー(頭わしゃわしゃっとし)
これはね…昔お世話ンなった人がたまには女らしい格好してみろってくれた奴なンだ
結構前だから今はキツイけどね…ってドコ見てんのサ(怪訝な顔で苦笑し)

ボクにとってはおっきーよ！
ほら、もっと大きい人がいても大きい事に変わりなくないっ？ボクから見たらどっちも大きいもん！
だめー？うわわ（くしゃくしゃ）
へぇー…どんな人だったの？男？女？優しかったっ？
身長…あ、そっか、そこ以外もきつかったっけ

むー…(恥ずかしそうにして)
えいッ　そんな事言う子にはこうだー(頭を抱き締めてみちゃう)
ふふふー
男の人だよ、義賊でネ、優しい人だったなァ
ううん、アタシはそこは大きく無かったからナールも平気と思うヨ(150cm位)

照れてる！可愛い！可愛い！！
ふにゃー！？幸せな感触に包まれてるー！？
こっちからもえいー！（ぎゅー！）
義賊ってあれだよね、悪い貴族倒して村人にお金を配ったりするの！
…意外と近かった事にびっくりです！（147）

可愛くないっての！
幸せかー　やったなーならこうだー!(ぎゅーっと)
…そんな人だったなァ、いっつも誰かのために戦ってた人だったよ……
……アタシ背ェそんなに高くねェからな……ぐぬぬ
だからナールも大丈夫だヨ

かーわーいーーのー！！
ふかふか！！今まさにボクは世の男性の憧れの的だね！！（うっとりぎゅうー）
…さいごまでー？
えっ、ミリーも伸びたいの？
えへへ、元気出た！ついでに自信も出た！

もー！アタシはキレーの方がいいの！
可愛いのはナールだよ
ふふー、うりうり！サービスだぞー！(頭をぎゅーっと)
…最後までアタシと自分を刺した奴を気遣ってた……優しくて馬鹿な人…
伸びたいさ、小さいとあの人の好みじゃないしサ？
ン、良かった。
自信まで付いたのかァ　ナールはスゴいネ！(よしよしっと)

綺麗だよ！ミリーは綺麗で可愛いのっ！
ちっちゃいからねー！（どやっ）
特別出血大サービス！これは夜道で刺されないよーにしなきゃ！
…かっこよくて優しい人だねっ
ミリーが憧れるのも分かるなぁ…今でも大好きなんだねっ
あの人？えっ、まさかまさかもしかして！ミリーついに恋の予感ーー！？（きゃー！）
簡単に元気にさせちゃうミリーもすごーい！好き！

もー、誉め殺されるー…ありがと♪
ウンっ、ちっちゃくて可愛い！
もー誰が刺すってのサ、ほーら守ってやっからなー(頭をぎゅーっと)
…ウン、今までもこれからもずっとずっと大好き、かな
もー違うよー？もう…いない人だしネ。
ふふっ　そんな相手いたらいいなァ…？
じゃあアタシ達二人どっちもすごい！アタシも好き！

死ぬのは困るーー！？頑張って死なないでミリー！
やったね持ち運びしやすい大きさじゃないけども！
ほらミリーファンクラブの人たちに？ね？（ぷはっ）
うん！分かるかも！ボクもおじいちゃんとおばあちゃんが大好きだもん！
…そかそか！
ボクもほしー
ミリーのお嫁さん姿絶対きれい！！見たい！
揃ったら強いね！もしかしたら最強かも！！ボクの方が好きー！

死なないってば♪
鍛えてっからナール位なら運べるよー？(ひょいっと抱っこし)
いるワケねーじゃんそんなの。
いたらいたらで恥ずかしいし…
ウン、そんな人がいるってイイよね！　ナールのいいこめー！(わしゃわしゃ)
でもアタシの大事な芯としてココに(自分の胸に手を当てて)ずっといるんだ、そんな存在(ひと)サ…
ナールならきっとステキな人が見つかるよ！
むー…いたらそのうち、ね？
ウンウン！　最強！
えー負けないよー(楽しそうにわしゃわしゃ)