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泪雨

【相談】夏の終わりに。

陽も落ちて夕暮れ時、どこからともなく鈴虫の音。
夜風が風鈴を揺らし、チリンと鳴った。

夏の終わりを告げるように──…。

いつものように縁側に腰掛けて、待ち人が来るのを待つ。
庭に小さな蝋燭、手元には幾つかの手持ち花火、そして…線香花火を用意して。

「日が陰るんが、はよおなった…日中はまだ暑いけど。夏も…逝ってしまうのやろか。」

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イベントシナリオ:「まじない花火と空模様」相談場所
十夜さんと。

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呆れては……いや、まあ案外子供っぽいことするとは思ったけどよ。
せっかく綺麗な手なんだ、怪我したらもったいねぇだろ。

(細い指がなぞる感触に、僅かに手のひらを強張らせる。
 それを表情に出すことはなく、空っぽになった手を暫し見つめて)

ん……あぁ、もうそんな時間だったか。(緩慢な動作で腰を上げ)
……そうだな、もしおっさんが早死にしたら……そん時は、墓に和菓子でも供えに来てくれや。
それから酒と、土産話と――

(便乗して返す軽口をふと噤む。
 蜻蛉の横顔を眺める視界に、不意に先の寂しげな笑顔がちらついて)

…………行こうぜ。――蜻蛉。

(後片付けを終えた頃合いで、先程と同じ――先程より少し震える手を、そっと差し出した)

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