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泪雨

【相談】夏の終わりに。

陽も落ちて夕暮れ時、どこからともなく鈴虫の音。
夜風が風鈴を揺らし、チリンと鳴った。

夏の終わりを告げるように──…。

いつものように縁側に腰掛けて、待ち人が来るのを待つ。
庭に小さな蝋燭、手元には幾つかの手持ち花火、そして…線香花火を用意して。

「日が陰るんが、はよおなった…日中はまだ暑いけど。夏も…逝ってしまうのやろか。」

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イベントシナリオ:「まじない花火と空模様」相談場所
十夜さんと。

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……ん…優しゅうないけど、優しい。それでいて、不器用…よお知ってます。

(新しい線香花火に手をつけて。少し歪に丸まった先を見つめる。
 まるで今の自分のよう、それがなんとなく愛おしくて、哀しくて、落ちそうな火花)

線香花火見よったら、小さい頃の旦那が見えて。…思わず聞きたなってしもたの。
…ほら、気ぃつけんと落ちてしまう。大事に大事に…最後まで咲かてあげんと。

そうなん……やんちゃしてたんかと思た、意外。(悪戯気味にクスっと笑う)

(目を細めながら、揺れる先をじーっと眺めて。
 そういう合間にも、光の花が夏の最後を知らせるように──…チリチリと鳴いて)

……こうやって?

(聞いた話を再現するように、空いてるほうの掌を花火の下に入れようとして)


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十夜 縁(p3p000099)と

ええ夜風…暑いのは嫌い、でも夏が終わってしまうんは寂しい
うちは、我が侭やの…でも、旦那と見に来れて良かった

カランコロン、下駄を鳴らしながら

花火の順番…旦那は、どうしはるの?
順番当てると、お願い事叶うらしいけど

お願いする前から、諦めてしまうの?
また、あの寂しい瞳…言葉は返さずに

…──今、何て?

その刹那、周囲の騒めき、花火の轟きさえも消えて

せっかくの花火やのに…
素直になれない天邪鬼、下を向いてぼそっと
ただ、その顔は朱に染まって嬉しそうに

夜空を見上げる横顔を、チラっと見やって
同じように空を

この時がずっと続きますように、今は唯、それだけを願って
(花火の予想結果は秘密で)

(300字)

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