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泪雨

【相談】夏の終わりに。

陽も落ちて夕暮れ時、どこからともなく鈴虫の音。
夜風が風鈴を揺らし、チリンと鳴った。

夏の終わりを告げるように──…。

いつものように縁側に腰掛けて、待ち人が来るのを待つ。
庭に小さな蝋燭、手元には幾つかの手持ち花火、そして…線香花火を用意して。

「日が陰るんが、はよおなった…日中はまだ暑いけど。夏も…逝ってしまうのやろか。」

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イベントシナリオ:「まじない花火と空模様」相談場所
十夜さんと。

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あぁ、そうさな。秋と言やぁ実りの秋、食欲の秋……夏には味わえねぇモンが沢山ある。
真っ赤に燃える山を眺めながらの温泉。そこに美味い酒とくりゃぁ最高に贅沢だろうぜ。

(ぐいっとあおる仕草で緑茶を飲み干す。
 先に戻した水羊羹の器の脇に、茶器をコトリと置くと、縁側から腰を上げて。
 夜風から火を守るようにか、さりげなく風上に背を向けるように屈み込んだ)

……ま、この歳だしな。そう思われても仕方ねぇさ。
だからそれなり経験豊富に「見せて」おかねぇと、色々煩く言われて大変なんだぜ、これでもよ。(手持ち花火の先を火にかざしつつ)
この状況を見られたら、それはそれでやかましく言われそうだが――……こら、そこで笑うな。

(笑いながらの謝罪に軽く顔をしかめ、それでも視線は変わらず穏やかに。
 やれやれ、と肩を竦めると同時、鮮やかな火が花開いた。
 パチパチと爆ぜるそれを、暫し静かに眺めて。燃え尽きる瞬間)

――俺も、知ってる。……俺が寂しいのに慣れちまわねぇように、こうして声掛けてくれてるって。

(だから、お互い丁度いいだろ。
 バケツに花火を放り込みながら、ぽつりと呟いた)

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蜻蛉(p3p002599)と

ははっ、我が侭な嬢ちゃんだ
ま、そうやって寂しがって貰えりゃ、夏も本望だろうぜ

着流しの裾を揺らしながら、蜻蛉の言葉に笑って

順番…あぁ、そういやそんな話もあったなぁ
なら最初は――…いや、やっぱりやめておくかね
こういうのは当たった試しがねぇのさ

…それに、もう願いは叶ってるんでな
夏が終わるまでに、お前さんともう一度花火を見る、ってよ

肩を竦めて夜空を見上げる
夜風もあるのに熱くなる顔を、見られないように

(211字)

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