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泪雨

【相談】夏の終わりに。

陽も落ちて夕暮れ時、どこからともなく鈴虫の音。
夜風が風鈴を揺らし、チリンと鳴った。

夏の終わりを告げるように──…。

いつものように縁側に腰掛けて、待ち人が来るのを待つ。
庭に小さな蝋燭、手元には幾つかの手持ち花火、そして…線香花火を用意して。

「日が陰るんが、はよおなった…日中はまだ暑いけど。夏も…逝ってしまうのやろか。」

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イベントシナリオ:「まじない花火と空模様」相談場所
十夜さんと。

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一人暮らし…寂しかったりせえへん?…て、猫と二人のうちが言うのもなんやけど。
…その歳まで一人やったら、慣れてしもてるやろか。

こっちが、こしあん…どうぞ、ひやこいうちに食べて?
うちも、両方と好きやけど…食べるんやったら、こしあんが好きや。

(茶器と同じ硝子の皿に、丸みを帯びた器をひっくり返すと、水羊羹がお目見え。
 さじをつけて盆にのせ、緑茶と一緒に十夜の手前へ置いた)

実を言うと…こないだみたいな事があったよって、もしかしたら…旦那、来てくれんのやないかて…内心、思てた。

(自分もひと口味わってから、緑茶に手を伸ばして。視線を合わせないまま、ぽつり
 小さく呟いた後、茶に口をつけて。それは、続く言葉を飲み込むように)

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