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泪雨

【お団子】メイメイちゃんと【花咲く】

◆◆

豊穣のとあるお団子屋さんでの一幕。
一緒に食べようと思って、蜻蛉がメイメイちゃんを誘って連れてきました。

◆◆

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(二人連れ添って歩いています)


メイメイ『蜻蛉様、今日は……何処へ?』

蜻蛉  「ええとこよ」


(少しの間)


蜻蛉  〈……ここのお団子美味しいんよ〉

メイメイ《あれ? …この、お店は…》


店員  「いらっしゃいませ!お二人さまですか?」

蜻蛉  〈ええ、二人〉

メイメイ《はいっ》

店員  「お好きな席へどうぞ」

店員  「ご注文はいかがいたしましょう?」

蜻蛉  〈お団子とお茶を〉

メイメイ《わ、私も同じものを!》


(少しの間)


蜻蛉  「メイメイちゃんも、このお店に来た事あるん?」

メイメイ『…前に、連れてきていただいたのです』

蜻蛉  「あら初耳やわ。どなたと来たんやろ?お友達?」

メイメイ『は、はい…えっと…晴明さま…じゃなかった、な、中務卿、の…』

蜻蛉「……あらまぁ。んふふ」

メイメイ『瑞さまたちの御遣いに利用するお店、とのこと、で…』

蜻蛉  「鎌倉のなかでお餅を食べとった時みたいに、ほっぺが真っ赤やよ?」

※鎌倉のなかのこと
<Scheinen Nacht2019>小さな温もりは雪の中
https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/2488

メイメイ『めぇ…え、えええ?あの、その…』

蜻蛉  「なぁんて、うそです。……ちょっと意地悪してしもた、ごめんね」

メイメイ『…もぅ、蜻蛉さまったら…』

蜻蛉  「お顔がほんのり赤いんは、ほんま。それに、なんとなく女の勘で分かります」

メイメイ『……えっ?』

蜻蛉  「……で、どんな人やの?」

メイメイ『…! あわわ…蜻蛉さまには、お見通し、なのです、ね。じ、実は、今日は、そのことを蜻蛉さまに…お話しようと。………こほん』

蜻蛉  「それは是非に。お話聞きたいわぁ」

メイメイ『……好きな、人が、出来ました…!』

メイメイ『あたたかいと思う人も、大好きな人も、沢山います。蜻蛉さまも、そのおひとり、です。
…でも、そういう感じとは違かったの、です。お傍にいると、ドキドキしたり、頬が熱くなったり…』

蜻蛉  「うちもメイメイちゃんのこと大好きよ。……それにしても、まぁ、なんて可愛らしいのやろ」

メイメイ『こ、これって、恋、ですよね?』

蜻蛉  「……そうよ、恋。その人の事で胸がいっぱいになってしまうの。ふふっ」

メイメイ『…晴明さまは、いつも真っ直ぐに、わたしの事を考えてくれて。それに、とても良い、お顔をなさるのです。
なので、綺麗な景色や、楽しそうな事を見つけると、喜んで貰いたくて、頑張ってしまうの、です。
…まだ、わたしがひとりで想うだけなのです、が』

蜻蛉  「お話してくれて、おおきに。うち……とってもとっても嬉しいわ。でも少しだけ、寂しいような…んふふ
 出会うた頃は、小さな女の子やったのに。知らん間に、春が来て……華やいだ娘さんになってしもて」

メイメイ『…わたしも、ありがとうござい、ます。えへへ…蜻蛉さまにこういうお話が、出来るなんて。あっ、蜻蛉さまのお話も、お聞きしたい、です』

蜻蛉  「うち?うちの話はええんよ。」
蜻蛉  「…………ほんなら少しだけ、一生懸命お話してくれたお礼よ」

メイメイ『はい…!』

蜻蛉  「十夜さんの気持ちは、ちゃぁんとお聞きする事が出来ました。ずーっと思い続けて来て、よおやっと。ふふ。
 おかげさんで……今は、一日一日がとっても幸せです。相変わらずの所もあるけれど……ふふっ」

メイメイ『……蜻蛉さまがお幸せそうで、わたしも、すごく嬉しいです…!お似合いの、お二人ですもの』

蜻蛉  「何や照れてしまうわ……おおきに。でも、ずっとこの先も道は続いとります。これからもゆっくり隣を歩いて行けたらええなって、思とります」

メイメイ『同じ道を、いつまでも隣で。……憧れ、ます。わたしも、蜻蛉さまたちのように、なれたら、いいな…』

蜻蛉  「ねぇ……好きな人がおることって、とっても素敵なことよ。あなたやったら、きっと大丈夫」

店員  「甘いお話ですか?ふふっ……ここのお席だけ桜が咲いているようでしたよ?
     お待たせ致しました、ごゆっくりお召し上がりください♪」

蜻蛉  「さて、花もええけど、団子もやめられません。頂きましょ」

メイメイ『……はいっ!いただきます!」



(完)

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発注の際 ◆ 十夜さん → 縁さん に、訂正してあります。

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