＜濃々淡々＞春風駘蕩、花ノ宴　//　染ＮＭ

*・:..｡o￠o｡..:・*・:..｡o￠o｡..:・*・:..｡o￠o｡..:・*・:..｡o￠o｡..:・*

今日は、楽しみにしとったお花見よ
皆でこの景色を一緒に見れるやなんて、どんなに幸せなことやろか
それに今日は、桜の可愛らしい子たちも同席してくれるんやから、いつもより心も踊ってしまうわ
なんて…大丈夫、踊りだしたりせえへんよ？

街へと買い出しへ
和風のお弁当、綺麗な重箱が目に入る。それから、あとはお酒も忘れずに
うちはこれにしよかしら。色々買うて、皆で分け合いっこしよね
お日様の下で食べるご飯は、何よりのご馳走やもの

見上げればひらひらと舞い落ちる花弁、桜の精霊さんたちにもご挨拶
お天気も風も、とってもええ花見日和。今日は、よろしゅうお願いします
持ってきた敷物を広げれば、宴の始まり
こっちの卵焼きも食べて見て？美味しかったんよ。
ネーヴェちゃんのも美味しそうやわ
それから手持ちの和菓子に、ジルさんの手作りお菓子、甘いものも摘まんで
甘いものは別腹、言うやない？ふふ

始まる歌に音楽に耳を傾けて、春の匂いを吸い込んで
宴の合間にお願いを
絢くん、この四人をイメージした飴細工を作って貰えんやろか？

楽しい時間も過ぎ──
気づけば夜桜、その姿はまるでお化粧で顔を変えるおなごのよう
夜桜を見ると寂しかったけれど、でも、今日は大丈夫
「こないして、ボタンちゃんに見せてあげたかった約束の景色やもの、忘れんへんよ」
少し酔っとるかも、なんてフリをしながら

桜のお嬢さんたち、今日はおおきに
また逢いに来てもええかしら
それまで、元気でおってね

（598/600）