ギルドスレッド スレッドの一部のみを抽出して表示しています。 Clans Nest 【PPP一周年記念】迷子の迷子の子猫ちゃん 【戦好きのハイエナ】 Briga=Crocuta (p3p002861) [2018-07-14 17:51:22] 【事の発端】歩きながらBriga=Crocutaは大きく欠伸をした。吐き出された息は本当に微かに酒の匂いが残っている。常人なら気づかないそれを敏感に嗅ぎつけ、隣を歩いていたアルク・ロードは顔を顰めてみせた。「まだ酒残ってんじゃねえか…寝てていいって言っただろ。いつも通りにさ」「うっせェなァ。まだ眠くねェっての…くァあ…」言いながらまた大きな口で欠伸をした彼女に呆れた視線を投げる。しかし、アルクはそれ以上は何も言わず、自分達よりも少し後を行く少女に顔を向けた。「ソフィー、大丈夫か?はぐれそうなら、手とか…」「……子供扱いしないで。平気」そう言ってソフィーと呼ばれた少女、Solum Fee Memoriaは無表情で答えた。実際、アルクよりもバリガよりも遥かに生きている時が長い。が、見かけは十代半ばといった少女だ。事情を知らない人からすれば、どう見ても背伸びしている子供にしか見えない。が、わざわざその事を言う人間はいなかった。偶然聞いていた人が微笑ましく思ったくらいで。「にしても、確かに子猫じゃなくてもはぐれそうだな…なンだよこの人の量」「市場なんてこんなもんだろ」「………子猫じゃない。それにはぐれない。そこまでばかじゃない。はぐれるとしたら尻尾の方」「あ?子猫だろ。つかはぐれるわけねェよ!」「……すぐ吠える」わざとらしく耳を塞いで見せるソフィーに大人げなく(実際一番年下なわけだが)唸るバリガ。そんな二人をどうどうと宥めつつ、アルクは買う物を書いたメモを見る。「…ええと、肉と、塩と胡椒と、あとは時間あったら手芸用品だろ。他は…」「おい、酒は?」「まだ呑むのか?昨夜も呑んでただろ」「当たり前だろ。昨日は昨日、今日は今日」「アル中め…」「ンなモンになった覚えはねェな」しれっと嘯く。言うだけ無駄だ。分かっていても言ってしまうが。「短い時間にしてくれよ、ソフィーの服も買わなきゃいけないんだから」「あァ…確かにな。少なすぎるだろ」「バリガに言われたくないかもしれないけどな」「オレより少ねェだろ…オイ、子猫、希望とかあンのか?……おい?何黙ってンだよ」後ろを振り向く。が、そこには銀の髪を持つ少女はおらず。一瞬呆けた後、二人は揃ってため息をついた。「…アイツ…どこ行きやがった…!!」 →詳細検索 キーワード キャラクターID 検索する キャラクターを選択してください。 « first ‹ prev 1 next › last » 戻る
歩きながらBriga=Crocutaは大きく欠伸をした。吐き出された息は本当に微かに酒の匂いが残っている。
常人なら気づかないそれを敏感に嗅ぎつけ、隣を歩いていたアルク・ロードは顔を顰めてみせた。
「まだ酒残ってんじゃねえか…寝てていいって言っただろ。いつも通りにさ」
「うっせェなァ。まだ眠くねェっての…くァあ…」
言いながらまた大きな口で欠伸をした彼女に呆れた視線を投げる。
しかし、アルクはそれ以上は何も言わず、自分達よりも少し後を行く少女に顔を向けた。
「ソフィー、大丈夫か?はぐれそうなら、手とか…」
「……子供扱いしないで。平気」
そう言ってソフィーと呼ばれた少女、Solum Fee Memoriaは無表情で答えた。
実際、アルクよりもバリガよりも遥かに生きている時が長い。が、見かけは十代半ばといった少女だ。事情を知らない人からすれば、どう見ても背伸びしている子供にしか見えない。
が、わざわざその事を言う人間はいなかった。偶然聞いていた人が微笑ましく思ったくらいで。
「にしても、確かに子猫じゃなくてもはぐれそうだな…なンだよこの人の量」
「市場なんてこんなもんだろ」
「………子猫じゃない。それにはぐれない。そこまでばかじゃない。はぐれるとしたら尻尾の方」
「あ?子猫だろ。つかはぐれるわけねェよ!」
「……すぐ吠える」
わざとらしく耳を塞いで見せるソフィーに大人げなく(実際一番年下なわけだが)唸るバリガ。
そんな二人をどうどうと宥めつつ、アルクは買う物を書いたメモを見る。
「…ええと、肉と、塩と胡椒と、あとは時間あったら手芸用品だろ。他は…」
「おい、酒は?」
「まだ呑むのか?昨夜も呑んでただろ」
「当たり前だろ。昨日は昨日、今日は今日」
「アル中め…」
「ンなモンになった覚えはねェな」
しれっと嘯く。
言うだけ無駄だ。分かっていても言ってしまうが。
「短い時間にしてくれよ、ソフィーの服も買わなきゃいけないんだから」
「あァ…確かにな。少なすぎるだろ」
「バリガに言われたくないかもしれないけどな」
「オレより少ねェだろ…オイ、子猫、希望とかあンのか?……おい?何黙ってンだよ」
後ろを振り向く。
が、そこには銀の髪を持つ少女はおらず。一瞬呆けた後、二人は揃ってため息をついた。
「…アイツ…どこ行きやがった…!!」