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審問室

果てなき砂浜

砂の白。海の青。空の青。
目の前の風景を描くなら、三色の塗料があれば事足りるだろう。見渡す限りの白い砂浜。水平線は遥か遠く。空には雲ひとつない。
「君の真似事。私なりの箱庭だ。少し寂しいが、これから充実させていけばいいさ。我々の塗料でな。……如何かな?」
仮面が傾ぐ。少しはにかむように。

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(獣が笑う。腕は暗黒に絡みつき、きつく締め上げ肉と肉とを接触させる。吐息だけではとても足りない。この身が発する、心臓から血管を通して血潮が運ぶ肉の温もりを何もかも移してしまいたい。
思考が千切れ飛び、視界が白く瞬く。脳髄は酸欠に喘いで悲鳴にならない吐息を漏らす。
極限の危機に瀕し、遂に肉体が不随意に動いた。青を蹴散らし、照らす光に惹かれる羽虫のように。上へ、上へ。『物語』を、いや愛しい『人間』を抱いたまま。)

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