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審問室

果てなき砂浜

砂の白。海の青。空の青。
目の前の風景を描くなら、三色の塗料があれば事足りるだろう。見渡す限りの白い砂浜。水平線は遥か遠く。空には雲ひとつない。
「君の真似事。私なりの箱庭だ。少し寂しいが、これから充実させていけばいいさ。我々の塗料でな。……如何かな?」
仮面が傾ぐ。少しはにかむように。

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(岸辺から少し離れた海面が深呼吸するように大きく膨らみ、そして崩れ落ちて一際大きな波となって迫りくる。猶予は殆ど無い。瞬く間に沈み込み、青に呑み込まれるだろう。
手は繋いだまま、晒された貌が振り返る。離れぬように、逃さぬようにと触手を手繰る。)

実はな、私も泳いだ事はないのだよ!

(どぷり。
波が貴女を呑み込むだろう。目前に広がるは青。次に泡の白い粒が巻き上がり、渦を巻く。そして子供が無邪気に塗料を散らしたような、色とりどり形様々な動不動の刺胞動物の群れ。)

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