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審問室

果てなき砂浜

砂の白。海の青。空の青。
目の前の風景を描くなら、三色の塗料があれば事足りるだろう。見渡す限りの白い砂浜。水平線は遥か遠く。空には雲ひとつない。
「君の真似事。私なりの箱庭だ。少し寂しいが、これから充実させていけばいいさ。我々の塗料でな。……如何かな?」
仮面が傾ぐ。少しはにかむように。

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 緑――何処かの魔導書に『緑の崩壊』と称される呪文が載っていた。対象にされた存在は緑色の腐敗物に成り果てるという、魔導士・魔術師すらも嫌悪する『もの』だったか。兎角。此の視線は己の心を侵蝕するのだろう。拒む必要は無いと、聞かされるような感覚に陥って――ふらり。沈む気分は最高なのだろう。鉛を抱いて溺れ往く苦痛は、愛するべき恍惚なのだろう。だろうだろうと喧しいが、五月蠅いが。普通と刻まれる輝きが。
 手を伸ばす。触手を伸ばす。好奇心に魅了された、猫の如く。

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