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審問室

果てなき砂浜

砂の白。海の青。空の青。
目の前の風景を描くなら、三色の塗料があれば事足りるだろう。見渡す限りの白い砂浜。水平線は遥か遠く。空には雲ひとつない。
「君の真似事。私なりの箱庭だ。少し寂しいが、これから充実させていけばいいさ。我々の塗料でな。……如何かな?」
仮面が傾ぐ。少しはにかむように。

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 大の字を描くように四肢を伸ばす。潮の臭いに身を揺らし、黒色の肉が歓喜する。美しい箱庭だ。己が為したならば『何処か奇妙』だったに違いない。皮肉を吐くならば天だろう。雲一つ視得ないとは、得られぬ我々を嘲笑って在るのか。愉快だと頷く。
「海月ならば貴様の眼前に。仮面の側に在ると思考せよ。外見は不定形だが一部分は月だろう。Nyahaha――生きる存在を引き寄せるならば、我々が『生』の苦痛を魅せて終えば好い。亡霊どもは文字通り。死に近い痛みに敏感なのだ。兎角。前回の西瓜割りは置き去りに新たなる遊戯を始めるべきだ。貴様は何を望む」

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