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審問室

果てなき砂浜

砂の白。海の青。空の青。
目の前の風景を描くなら、三色の塗料があれば事足りるだろう。見渡す限りの白い砂浜。水平線は遥か遠く。空には雲ひとつない。
「君の真似事。私なりの箱庭だ。少し寂しいが、これから充実させていけばいいさ。我々の塗料でな。……如何かな?」
仮面が傾ぐ。少しはにかむように。

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(名を呼ばれた。背筋を指先で擽られたような感触が走った。堪らず身体をくねらせるジョセフの目の前で、物語と人間が交互に顔を出す。あれがこそばゆさの原因だろうか。これは焦燥感だろうか。
もう一度名を呼ばれた時、深く思い知った。これは最上級の愛だ。筆は傾いた。固定は成された。)

うん、ありがとう。
でも、君の方が素敵だ。その……オ……オラボナ。

(出会った頃から変わらず、漆黒の闇に浮かぶ三日月を見上げる。今は嗤われているとは思えなかった。なんて魅惑的な笑顔だろう。)

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