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審問室

果てなき砂浜

砂の白。海の青。空の青。
目の前の風景を描くなら、三色の塗料があれば事足りるだろう。見渡す限りの白い砂浜。水平線は遥か遠く。空には雲ひとつない。
「君の真似事。私なりの箱庭だ。少し寂しいが、これから充実させていけばいいさ。我々の塗料でな。……如何かな?」
仮面が傾ぐ。少しはにかむように。

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(緑色の瞳が瞬く。口角が上がり歯牙が剥き出しになる。遂に、遂にここまで来たのだ。理解が感情に追い付き実感となる。嗚呼、息が苦しい。言葉に詰まる。胸が塞がってしまったようだ。この胸を裂いて、取り出した心臓を差し出すことが出来れば良いのに。だが、出来ない。この身は未だ常識の範疇を抜け出しきれていない。そう、それならば――

口付けがひとつ落とされるだろう。鳥が啄むような、児戯のような口付けが。
はじめは戯れだった筈だ。だが、そうも言ってられなくなってきた。)

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