昔々、あるところにーー。 深緑、妖精郷の澄んだ空気に包まれて。
とあるお姫様は朽ちた小さな城を見つけました。
ボロボロで、蔦に覆われて。誰の目にも触れずにそこに在る。
そんな城に同情したお姫様は、その手で城を美しく蘇らせる魔法使いになることにしました。

――そんなこんなで、今は美しくなった小さな城。
城の中で少女は今日も眠っているようです。

✦‧✧‧✦‧✧‧✦‧✧‧✦‧✧‧✦‧✧‧✦‧✧‧✦

コルクの住まう小さなお城です。
誰がいたかもわからぬ城ですが、主は恐らく死んでいるでしょう。
コルクの星の魔法にかけられたお城は、まるで物語のように部屋の情景を変えてくれます。まるで城自身も、コルクの魔法使いになったかのように。


“───ようこそ、空の麓へ。歓迎しますわ。”

───*
──*
─*