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オーストレーム診療所

【雑談】診療所内部

簡素なベッドが2つ。片方はアクセルが寝る用。

後は机と椅子と薬棚。無口な闇医者はそこにいる。

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ぐ、が……!……、はぁっ。……はぁ……。
(頭から崩れ落ち、気を失いかけたその時ーー
霞む視界の先で、表情を歪ませる恋人の顔が見えた。

そうだ、立ち止まる訳にはいかないーー。
それが例え、己の闇に触れる事になろうとも。)

俺は……頭首なんざ御免だが、背負っちまったんだ。
確かめるまで、立ち止まる訳にはいかねぇ……。
(首筋に埋め込まれた銀の鱗を指で押さえる。ス、と小さく息を吸った)

――……『逆巻く白き咢』。

(暗殺業の時にかけられていた組織の自己暗示。深く黒い闇の奥底に心を静め、急に軽業師のように身軽に跳ね起きる)
…………。
(香水瓶を取り出し一本封を切ってから、瓶を右手に握ったまま診療所に向かって走り出した)

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