▼シックで落ち着いたコーヒーの匂い漂うキャリー喫茶店の店内。
　カウンターの周辺には、今日も様々な人々が集まる。

○カウンター席に置かれたお品書きの黒板
・カフェラテ　・カフェオレ　・ココア　・ミルク
・セイロン　・ダージリン　・ロイヤルミルクティー
・サンドイッチ　・カレーライス　・かぼちゃスープ
・砂糖菓子の茶葉ティー　　etc...

ここへ、顔を出すのも何年振りかしらね。
鏡禍について、世界を渡る前に、最後に顔を出しに来たわ。
皆、元気でやってくれているといいけれど……。
（ぽん、と手を打って）そうだ、折角なのだし、メッセージの一つでも残しておきましょうか。(さささらと文章を綴って、書いた紙をカウンターにピン止めしておいた)
(几帳面そうな大文字のアルファベットで、ラテン語の短文が書かれている。『崩れないバベル』ゆえ、誰でも読み取ることはできるだろう)「皆さん、長らくお世話になりました。再びまみえることができたなら、その時はゆっくりと、またお茶を飲み交わしましょう」