▼シックで落ち着いたコーヒーの匂い漂うキャリー喫茶店の店内。
　カウンターの周辺には、今日も様々な人々が集まる。

○カウンター席に置かれたお品書きの黒板
・カフェラテ　・カフェオレ　・ココア　・ミルク
・セイロン　・ダージリン　・ロイヤルミルクティー
・サンドイッチ　・カレーライス　・かぼちゃスープ
・砂糖菓子の茶葉ティー　　etc...

邪魔をする、ぞ。

おう、いらっしゃい。寒さから避難ってところかい？

マリアは、避難が必要な程、寒さに弱くはない、ぞ？
暖かいミルクは、好みはする、が。（カウンターに向かい、体を持ち上げ椅子に座る）

……最近はカウンター静かだな。

邪魔するよ。（続くように入店しそのままカウンター席へ）おっと悪い、先客だったか。

ん……？（あたりをきょろきょろと見回す）おっと、先客ってのは俺のことか。こりゃあ失礼した。別に悪びれる必要はねぇぞ？俺は単にサボ……休憩しに来てるだけだしな。

おや、悪い大人だな（ちらりと聞こえた単語に苦笑し）だが良かった。申し訳ない気持ちのままでは折角の珈琲の味も落ちるというものだ（熱い珈琲を、と注文カウンターの向こうへ）

（はいよ、とキッチンの奥からやって来る）コーヒーが一つ……っと、なんだ。やたら珍しい取り合わせだな。ラダの嬢ちゃんもついに海運に興味を持ち始めたか？　エイヴァンの旦那がそっちのツテを持ってるかどうかは知らんけどな。（豆を挽いて、抽出し終えたらラダの元にコーヒーが出されていることだろう）

ああ、ありがとう（受け取ったコーヒーを早速一口啜り）おや、こちらは海洋の方か。てっきり同郷か鉄帝あたりかとばかり。しかし海運なぁ……一度に大量に運べるのは大きいが、やっぱり慣れた陸路が好きだな、今の所は。

当てがないこともないが……俺の知るような経路は検閲が厳しいやつばかりだ。密輸がしたいなら他をあたったほうが無難だぞ？あぁ、俺もコーヒーで頼む。深入り細挽き、湯の温度は高めでな。

待て待て、密輸なんて言ってないぞ。海洋で商売するとしても真っ当にやるって（慌てて否定し）あぁ既存のルートや市場は地元商人が押さえてるのは陸も海も変わらないか。……エイヴァン、というのか。私はラダ。ラダ・ジグリ。ラサの商売人だ。

そこまで細かく注文するのは旦那ぐらいのもんだな。（言われた通り、深煎の豆をミルの中に流し込んで回し、注文のコーヒーをエイヴァンへと出す）
陸も陸だが海も海で利権争いか。どこに行ってもそれだけは変わらねえな。その内、空を誰が使うかで金が飛び交いそうなもんだ。

海洋あたりならもう空の道使う商売人がいても驚きはしないさ。深緑あたりもいそうだが（一口二口とゆっくり珈琲を味わい）でも大荷物を抱えては飛べないだろうから、多くはないだろうな。ただ競争相手が少ない分、参入は楽そうにも思える。……まぁ、飛べないけども。

飛ぶだけなら大砲で飛ぶって方法があるぜ。着地までは保証できないが（ケラケラ笑いながら椅子で揺れる）

おや、いたのかスティーブン（よ、と片手をあげて挨拶し）大砲なぁ。荷物だけを空中神殿あたりから、目的地に向けて撃った方がまだ成功しそうだよ。

それで無事な荷物っていったい何なんだ（ひらひら手を振り返す）

配達人の命の保証をしない人間が何を言うんだ（ため息ついて珈琲を一口）いっそもう、鳩みたく荷物括って動物に運ばせる方が確実そうだな。

……回収率も届く確率も悪そうだなそれ。やっぱり行商が確実か