入口の扉を開けばそこはドールショップ。
…なのだが、その商品棚は個人の趣味でやっている方が遥かに綺麗に並べられている、という感想を抱くような適当な置き方である。
客からそっぽ向いている陶器製の人形なんかは良い方で、パンダの頭に引っかかってスカートがめくり上がっているドール、
犬のぬいぐるみに押しつぶされた魔法少女っぽいフィギュアなんかもある。

そしてそんな状況なんか知らんとばかりに、窓辺でひなたぼっこをしている猫耳少女。
今日も閑散としているお店の一日が始まる。

全くにゃ。もっとこう、謎の声が頭の中で聞こえるとか、どぱーっと謎の光が溢れるとか、トラックが突っ込んでくるとかがないと情緒も何もないにゃ！
にゅふふ、そうだにゃ。本物のケモ耳人種と変わりないのにゃ(嬉しそう)
……む？ロボットにゃ？イルミナが？(むむむ、とじーっと見つめて)……本当に？(無遠慮にぺたぺた腕を触ろうとする)

うむ、わらわもこの子達もお客が来ないと寂しいからにゃ。ぜひまた来てほしいのにゃ。
…あ、袋に包んだ方が良いかにゃ？