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はっぴー・せみてりー

はっぴーなニッキ

ナーガはとある手記を宝物のひとつにしている。

曰く「せんせー」から貰ったものであり、気軽に他の人に見せても良い、と。

特殊な文字で書かれているためか、ナーガはその内容を一欠片も理解出来ていないが、
「なんだかとてもステキなモノ」
として大事そうに持っている。
内容は果たして……?

・いわゆるSSです。
・下のレスから内容となります。

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彼女の住んでいた「牢」は、山中にある神殿の最奥部に存在していた。
神殿、とはいってもほとんど遺跡……廃墟、というべきだろうか。
鍵など牢の入口のみ、苔むした神殿自体は誰でも入れる状態だった。
もっとも、ここに自分の意思で来訪したがる者など、私含めて2人のみだろう。
それほどまでに彼女という存在は、世界から否定されていたのだ。
私は定期的に彼女に会いに行っては食べ物と「奇跡の因子」を与えていた。
彼女が彼女らしく、自由に奔放に世界をアイしてくれるように。そのための下準備をここで行っていた。

彼女は身体が頑健、とはいっても、最初のころは少女らしさは残っていた。
数日~数週間断食など当たり前な彼女の過酷な生活を鑑みて、「その割に健康体」という程度の肉体であった。
虐げられ続けて残った傷跡を全身に抱えながらも、彼女は彼女らしさを心身ともに崩さなかった。彼女の笑顔は、私の決意をより確固たるものにしてくれる。

さて、彼女に会いにくる人は私含めて「2人」であると記した。
ではもう1人とは誰なのか。

実は彼女には「妹」が存在する。彼女と同じくして産まれながらも、「蛇」らしさを残さなかった「幸運」な一方。
「聖女アナンタ」。「魔術の天才」。「神の御使い」。
恐らくあの世界で最も賛美されるべき存在。
約束された勝利の人生を歩む彼女が最も愛した……愛している存在は「姉」であったのだ。

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