ギルドスレッド
はっぴー・せみてりー
こんにちは。「私」だ。
この本は「私」の日記であり、「彼女」という存在を知らしめるためのモノ。
興味があるならゆっくり読んでいってくれ。
彼女は「生まれてはならない存在」であった。
彼女は「苦しめて殺さなければならない存在」であった。
彼女は「村に不幸を起こす存在」であった。
――そう、言い伝えられていた。
彼女の親は、彼女を捨てた。
名前を与える前に捨てられたので、彼女の名前は「 」であった。
彼女は人々から旧い言葉で「蛇の子」と呼ばれた。
彼女はその言葉を大層気に入った。
忌避されるべき某の言葉は、彼女にとっては祝言であった。
はじめて自分を認識してくれた。
それはそれはもう――とっても、喜んでいた。
美しい白髪、蒼白い肌、蛇のような美しい貌、
人より早い成長、
人より頑健な肉体、
人より賢い頭脳、
良い意味で捉えるなら「才覚」。
だが「あの」世界の人々はそうは捉えなかった。
人は特異点を恐れる。
故に人はそれを排他し潰す。
彼女もまた特異点。例外ではなかったのだ。
あまりに慣れてしまった痛み。
あまりに聞き飽きた罵詈雑言。
牢に閉じ込められた彼女は、
自らを虐げる全ての人々を、その鋭い双眸でまっすぐに見つめていた。
彼女は人々が自分に構ってくれていることに喜びすら覚えていた。
なぜなら彼女は「愛」を求めていたから。
この痛み、苦しみ、傷跡、その全てが
彼女の中では「愛されている」という結論に至っていた。
自分は構われている。
自分が人々に必要とされている。
自分という存在はこうされることで保たれている。
嗚呼、自分は愛されているんだな、と。
本来なら絶望するはずの境遇であるはずなのに、彼女は底無しの明るさでソレをかき消していた。
「あの」世界は腐っていた。
腐った世界は矯正が必要だ。粛清が必要だ。
だから私は、彼女に目をつけたのだ。
この本は「私」の日記であり、「彼女」という存在を知らしめるためのモノ。
興味があるならゆっくり読んでいってくれ。
彼女は「生まれてはならない存在」であった。
彼女は「苦しめて殺さなければならない存在」であった。
彼女は「村に不幸を起こす存在」であった。
――そう、言い伝えられていた。
彼女の親は、彼女を捨てた。
名前を与える前に捨てられたので、彼女の名前は「 」であった。
彼女は人々から旧い言葉で「蛇の子」と呼ばれた。
彼女はその言葉を大層気に入った。
忌避されるべき某の言葉は、彼女にとっては祝言であった。
はじめて自分を認識してくれた。
それはそれはもう――とっても、喜んでいた。
美しい白髪、蒼白い肌、蛇のような美しい貌、
人より早い成長、
人より頑健な肉体、
人より賢い頭脳、
良い意味で捉えるなら「才覚」。
だが「あの」世界の人々はそうは捉えなかった。
人は特異点を恐れる。
故に人はそれを排他し潰す。
彼女もまた特異点。例外ではなかったのだ。
あまりに慣れてしまった痛み。
あまりに聞き飽きた罵詈雑言。
牢に閉じ込められた彼女は、
自らを虐げる全ての人々を、その鋭い双眸でまっすぐに見つめていた。
彼女は人々が自分に構ってくれていることに喜びすら覚えていた。
なぜなら彼女は「愛」を求めていたから。
この痛み、苦しみ、傷跡、その全てが
彼女の中では「愛されている」という結論に至っていた。
自分は構われている。
自分が人々に必要とされている。
自分という存在はこうされることで保たれている。
嗚呼、自分は愛されているんだな、と。
本来なら絶望するはずの境遇であるはずなのに、彼女は底無しの明るさでソレをかき消していた。
「あの」世界は腐っていた。
腐った世界は矯正が必要だ。粛清が必要だ。
だから私は、彼女に目をつけたのだ。
彼女の住んでいた「牢」は、山中にある神殿の最奥部に存在していた。
神殿、とはいってもほとんど遺跡……廃墟、というべきだろうか。
鍵など牢の入口のみ、苔むした神殿自体は誰でも入れる状態だった。
もっとも、ここに自分の意思で来訪したがる者など、私含めて2人のみだろう。
それほどまでに彼女という存在は、世界から否定されていたのだ。
私は定期的に彼女に会いに行っては食べ物と「奇跡の因子」を与えていた。
彼女が彼女らしく、自由に奔放に世界をアイしてくれるように。そのための下準備をここで行っていた。
彼女は身体が頑健、とはいっても、最初のころは少女らしさは残っていた。
数日~数週間断食など当たり前な彼女の過酷な生活を鑑みて、「その割に健康体」という程度の肉体であった。
虐げられ続けて残った傷跡を全身に抱えながらも、彼女は彼女らしさを心身ともに崩さなかった。彼女の笑顔は、私の決意をより確固たるものにしてくれる。
さて、彼女に会いにくる人は私含めて「2人」であると記した。
ではもう1人とは誰なのか。
実は彼女には「妹」が存在する。彼女と同じくして産まれながらも、「蛇」らしさを残さなかった「幸運」な一方。
「聖女アナンタ」。「魔術の天才」。「神の御使い」。
恐らくあの世界で最も賛美されるべき存在。
約束された勝利の人生を歩む彼女が最も愛した……愛している存在は「姉」であったのだ。
神殿、とはいってもほとんど遺跡……廃墟、というべきだろうか。
鍵など牢の入口のみ、苔むした神殿自体は誰でも入れる状態だった。
もっとも、ここに自分の意思で来訪したがる者など、私含めて2人のみだろう。
それほどまでに彼女という存在は、世界から否定されていたのだ。
私は定期的に彼女に会いに行っては食べ物と「奇跡の因子」を与えていた。
彼女が彼女らしく、自由に奔放に世界をアイしてくれるように。そのための下準備をここで行っていた。
彼女は身体が頑健、とはいっても、最初のころは少女らしさは残っていた。
数日~数週間断食など当たり前な彼女の過酷な生活を鑑みて、「その割に健康体」という程度の肉体であった。
虐げられ続けて残った傷跡を全身に抱えながらも、彼女は彼女らしさを心身ともに崩さなかった。彼女の笑顔は、私の決意をより確固たるものにしてくれる。
さて、彼女に会いにくる人は私含めて「2人」であると記した。
ではもう1人とは誰なのか。
実は彼女には「妹」が存在する。彼女と同じくして産まれながらも、「蛇」らしさを残さなかった「幸運」な一方。
「聖女アナンタ」。「魔術の天才」。「神の御使い」。
恐らくあの世界で最も賛美されるべき存在。
約束された勝利の人生を歩む彼女が最も愛した……愛している存在は「姉」であったのだ。
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曰く「せんせー」から貰ったものであり、気軽に他の人に見せても良い、と。
特殊な文字で書かれているためか、ナーガはその内容を一欠片も理解出来ていないが、
「なんだかとてもステキなモノ」
として大事そうに持っている。
内容は果たして……?
・いわゆるSSです。
・下のレスから内容となります。