今は街か、森か、あるいは洞窟か。偶然か、それとも目的地か、此処を訪れたあなたは何かが書き込まれているらしい、紙切れを最初に目にする。
拙い字で書かれたそれは、此処を（勝手に）ねぐらにしている者が用意したようだ。


『来るところを間違えてないか？ここには何もないぞ。隠れた店なんかをやってるわけじゃあないし、浮浪者の真似事をしているわけでもない。
ここはおれのねぐらだ、用がないなら回れ右。……もし用があるなら勝手にすればいい、無理やり追い出すなんてことはしない。
だけど、一歩動けば物を壊す、場を弁えず血飛沫に狂ってるようなやつは願い下げだ。どんな場でどんな集団を作ろうが、決まりごとっていうのはあるものなんだ。

まず戦闘沙汰は論外だ。ここはねぐらだ、毎秒血を見なきゃ気が済まないなら依頼に行くかどこぞの闘技場にでも行け。というかそんなことをされたら置いてある物が壊れる。喧嘩でも同じだ、口喧嘩程度は勝手にやってればいいけど、無暗に手を出すな。下級の妖魔と同等に堕ちたいのか？口喧嘩も喧しすぎたら放っておかないが。
次。さっき少し触れたが物を壊すな。おれのものに限らず、誰のものでも。
他者の物は壊さない、悪党だから知りませんはここじゃ聞かないぞ。
度が過ぎれば追われるのはどこでも同じだ。

ひとまずこんなところか？集団を作る上で面倒事はそうそう避けれないけど、避けるようにはすべきなんだ。また何かがあれば書き込む。
それと、まさかいるとは思わないが、居つきたいような変わり者はおれに手紙なり、連絡をよこしてくれ。確認ってやつさ。
最後までわざわざ読んだあんたはどうする？帰るのも、来るのも自由だ。何もないけど、話の相手くらいにはなる。』


（ギルド規約のようなものです。下記に続く）

・日陰の居処について
シェンシーが勝手にねぐらにしている"どこか"。決まった場所はなく、とある街、森、洞窟など不定期に場所を変えています。もしかしたらどこかに定着するかもしれないし、するかもしれない。
大体共通しているのは灯り、もしくは焚き火を中心に、椅子代わりにしたり食糧などを運んだりと便利な木箱、少々古びた毛布などの寝具などが周囲に並べられています。スペースは余裕を持たせるために数人が身を置ける程度には広い。