お話どころ。
畳部屋。真ん中に囲炉裏もあって、暖かいわ。

失礼いたします

あらあら、こんにちは。夢追い庵にいらっしゃい。
ここには迷って来たのかしら、おにーさん？

はぁ、迷っているといえば、そうなりますか
失礼、浜地庸介と申します。最近こちらの世界に来たばかりで
あちこちを放浪して見て回っているところで

ここは……どこなのでしょうか

そう、迷い子なの。
私は『夢語る李花』フルール プリュニエ。よろしくね♪

ここは私のギルド、『夢追い庵』よ。

よろしくお頼み申す、フルール殿
夢追い……庵ということは休憩所のようなものですか
（あちこちを見回して）
懐かしい空気を、感じますな

まぁ、そんな感じ。ずっとここにいてくれても構わないのよ？
懐かしいって、似たような場所を知っているのかしら？

（懐かしく耽る）
実家で、茶を習っていた時期がありましてな
あまり上手ではありませんでしたが、あの空気は嫌いではないかった

ずっと、と言われましても、見ず知らずの男が婦女の家に泊まるなど……
いかんでしょう

あら、そうなの？
ふふ、落ち着く場所だったのですね。

おうちってわけではないのだけれど。
わたしは全然構わないわ？

……今は修行中の身にありて、宿を借りることはあれど住まうことは必要ありませぬ
いずれは、どこかに定住する必要はありましょうが
今は、その時ではない

……茶道を習う時にはよく来た場所というまで、思い入れがあるわけではありませぬ
どちらかといえば、厳しく指導された思い出がある程度

そう？
定住しなくても良いのだけれど。ここは…何て言うのかしら……確かサークルだとかそういうグループへの所属、みたいなものだと思っているわ。

ふふ、それでも懐かしいと言えるのだから嫌悪する記憶ではないのね。

嫌悪は……確かにありませぬ
あれもまた一つの想い出、と今は思っています

（少し思案し）なるほど、であれば……いずれ機会があれば所属したいと考えます
今は方々を巡って、学びを得たいと考えておりますれば
せっかくの御誘いですが、今はまだ

ふふ、嫌悪感がないならそれは善き思い出なのでしょう。

あらあらフラれてしまったわ？(くすくす)

私には、判断が付きませぬが……貴殿がそう思うのなら（頭を振り）

いえ、フったわけでは……
……単に、邪魔ではないかと思っただけです

ふふ、そうね。私はそう思うわ？

いいえ？邪魔だなんて思ったことはないわ。

（眉根をひそめ、少し悩む）
私が短い生涯で出会った人間の数は総人口より少ないですが、貴女ほど分かりにくい人には出会ったことがない。何を考えているのか、を考えたことは私にとってはあまり経験がない
……歓迎されているのなら、無下にすることはしません

私？そんなにわかりにくいかしら。言葉と感情は一致してると思うのだけど。

……私は貴方が苦手なのでしょうな
然らば、暫しの間お邪魔させていただくこととします

あらぁ、苦手なの。それは悲しいわね。まぁ感情は本人でもどうしようもないものだから、他人の私がどうすることもできないけれど。
ええ、どうぞ♪

嫌っているわけではありませんが、……言葉にはできないようです
それで、私は貴方に何をすればいいのですか

気持ちを言葉で言い表すのは難しい時があるものね。
何を……？何かしたいのですか？

今日より世話になる。、陰房と言う。
方々、宜しく頼む。

つかぬ事を伺う。筋肉トレしつつ話すのは許されるか？