お話お話しましょうね♪

お邪魔するよ。
まずは初めまして、かな？
ウォーカーのレオンハルトという。よろしく頼む

ようこそ、ようこそ夢追い庵へ♪
ええ、ええ。初めまして。私は『夢語る李花』フルール プリュニエよ。ハーモニア、よろしくね♪

ハーモニアか、なるほど、花が似合いそうな人だ。
フルール、と呼ばせてもらっても？

ふふ、花は好きよ。特にすももの花が好きね。
ええ、ええ。どうぞ♪
それじゃあ私はレオンハルトおにーさんと呼ぼうかしら？

長そうならハルトでもいい。レオンだとギルマス初め、何人かいるからな……。

すももか、見てよし、食べてよしの植物だな……。
何か思い入れがあったりするのか？

じゃあ、ハルトおにーさんね。
レオンおにーさんとかいますもんね。

私の名前、プリュニエってすももって意味があるの。だからかしら、凄く好きなの。

なるほど……そういえば名前の意味に関してはバベルの力を意識して使ってなかったな……。
名前にも付いている植物か……きっと名乗る時に逸話があったのかもしれないな。

そうでしょうか。あまり意味とか逸話など意識したことはなかったのですけれど。
名前に含まれていたから好きになったのか、好きだったから名前にしたのか、私にはわかりません。

あるいは、もっと簡単に願いかもしれないな？すもものように甘酸っぱい人生でありますように、という風な

さて、はて。それはよくわからないわ？記憶もないしね♪
おにーさんはどんなお花が好きなのかしら？

桜、サギソウ、スズラン、クローバー、あと月桂樹とかが好きだな。いつか荒れ地を花でいっぱいにしてみたい

あらあら、いっぱい好きなお花があるのね。
荒地に花を、それがおにーさんの夢なの？

とりあえず当面の目標、かな。
自由にしていい土地を貰ったはいいが、あまりに何もないのでは寂しいし

領地をお持ちなのね。
ふふ、良い目標だと思います。願わくば花で満たされる土地になりますように。

宮廷庭師の息子としての腕の見せ所だ。
フルールには何か、夢や目標はあるのか？

庭師だったの？
とても凄いところにお勤めしていたのね。
私？私は特にないわね。まぁ叶うかどうかはわからないものならば。『人の世から争いをなくしたい』、かしらね。

親父が……というか一族が、だな。
継ぐ前に出奔してしまったので、正式に仕事を任されていたわけではないさ。

争いをなくす……充分壮大な目標だ。難題ではあるが、やりがいもあると思うぞ。

へぇ、お庭のお仕事を任されてた家族なのね。信頼されていたのでしょうね。
壮大ね。夢幻のようなものよ。

他の貴族に見える範囲で毒性ある植物を植えたりしたら首が飛ぶからな……。信頼に応えるため知識だけは詰め込まれた。
まぁ、姫君たちの我儘に押し切られて植えた種から妙な植物が生えてきたこともあるんだが……。

根底にある人の欲をどう解消するか……衣食住が充実してなお上を求めてしまうのが課題だな……。

あらあら…それは大変でしたね。どんなお花が咲いたか少し興味はありますが。

さて、そんな簡単なことではありませんからね。『他者』という存在があるかぎりは争いはなくならないでしょう。

綺麗な紅い花……だが多分、あれは……育つと吸命樹になるタイプの魔物だ。抜いた時根っこ動いていたし……種子状態で休眠していたんだろう。

とはいえシャイネンナハトという逸話もある。
どこの国もその日くらいはと冷静に争いを忌避出来るというのは、実現の上でも重要になりそうだ。

あら、やっぱりいけないお花なのね。無事に除去されて幸いだけれど、ちょっと私も育ててみたかったわ？(くすくす

それでも期間限定の平和だから。私にとっては仮初の平和。
だから、この夢は夢のままでしか終われない。

こっちに持ってきたらレベル1の影響受けて安全に咲いてくれる……といいな。

争いが止まない世界からすると、貴重な期間だ。
延ばす手段があれば恒久平和も実現しそうなのだが……。

そうね、きっとそう。でも危ない子も咲かないかしら。楽しそうなのだけれど♪

ハルトおにーさんはそんな争いの止め方を考えるのね。

似たような植物が見つかれば持ち帰ってみよう……。

他者が居なければ争いも始まらないのは確かだが、それだと少し寂しいし……。
何より本気で始めると魔王とか呼ばれそうだ……。

ふふ、持ってきてくれるのを楽しみにしているわね♪

そう、魔王。それもまた一興ね。
そう呼ばれるか否かは心意気の問題よね。

恒久平和を目指すにもまずは、七大罪や魔種を倒す必要があるわけだが。うん、障害が多いな……。

そう？まぁ難しいでしょうね。
魔種も人も竜種も、関係なく争わなくなるのは。

竜種はなぞだが、魔種は滅びに直結しているのが困るな……実現の前に滅ぼされては目も当てられない……。
七大罪は目的があるようだが、末端はその素振りも見せないし……

そうかしら？私は魔種とも心を通わせることができるって思っているわ？
それに、世界が滅ぶから敵ってだけじゃ可哀想じゃない。

ミロワールや各都市で協力してくれた者たちのように自我を保てる、取り戻せるならいいが……。
絶望など、心の隙を突かれた反転者はまず狂気を拭う手段が見つからない……
パンドラが優勢になれば何か変わるのか……

ん、少し違うけどそんな感じかしら。
まぁそこはこちらが頑張るしかないでしょうね♪

少し違う……のか？
最後の一人になるまで諦めるつもりはないが、狂気に触れるつもりなら心は強く持たないとな……。

ええ、たぶんね。私は自他の境界がなくなれば良いと思ってるの。

何もかも、比較対象すらなく一つに溶け合う、ということか……？
残った自我を正常か狂気かを判断する物差しもなくなりそうだ

そう。正気も狂気もその境目はないのだからどちらでも良いでしょう？
こんなことを考える私は変かしら？

変ではないが珍しい、とは思うな。
多分、悟りの果てに見出す真理だ。
……だが全て一つになると、有無の判断もなく、それは無とも一つに……何も無くなる？

悟っている…かしら？
私はただ誰も傷付かない方法があるとしたら、それしかないって思ってるだけ。個として生きるには障害が多すぎるもの。
無も有も、境界は曖昧なものよ。

・・・。（会話の邪魔にならぬ様、黙々と清掃。）