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羽印のフランスパン

【個別】Happy Birthday!!

今日は12/1、日も沈み始める、そんな頃

此処は上谷の部屋
普段の彼の部屋は
深い木目の箪笥とクリーム色の壁紙。
そして灰色のベッドだけで構成されていた殺風景な部屋。

―――しかし、この日の内装は幾分か異なった
普段はあまり出さないテーブルは飾り付けられ
料理もフランスパンのオープンサンドやサラダが既に並べられており
ほかのも残りは仕上げで美味しいのを出せる準備は出来ている。

準備は万全なはずだ。

そしてアニーの声が聞こえ、急いでドアの方へ行き、開けようと―――
――――
開ける前↓
【https://rev1.reversion.jp/scenario/ssdetail/429】
本日のメニュー
・フランスパンのオープンサンド
・フランスパンのクルトン入りサラダ
・オニオンスープ
・フランスパンを使ったハンバーグ
・フランスパンのフレンチトーストをお洒落に盛り付けたデザート

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帰り道――――――


はぁっはぁっ……は……ふぅ……

どれくらい走っただろうか
ついにその場にしゃがみ込む。
息を切らせたまま顔を上げて見れば見慣れた風景が広がる。
ここは人々が行き交う場所。皆は「街角」と呼ぶ。
いつも人で賑わっている街角も、さすがにこの寒い季節の夜には誰もいない。
私は街灯に照らされたベンチに座り休憩することにした。

ずっと走ってきたせいか、まだ体が温かく心臓の鼓動も早い。
自分の胸に手を当て鼓動の速さを確かめてみる。
うん……零くんに抱きしめられてた時もこのくらいだった……
零くんには、あの時の鼓動が伝わってしまっていただろうか。

いつからか……ずっと、ずっと、気になっていたこと。
こんなにもドキドキして、心があったかくなって、
いつでもどこでも手を繋いでずっと一緒にいたいって思うのは……
………これは恋なのかな。
零くんと別れてもまたすぐに会いたくなって、でも会えなくて
こんなにも胸が苦しくなるのが……
………これが所謂、恋の病なのかな。

ねぇ零くん。……私、零くんに恋したのでしょうか……
もし、もしも、片思い……なんてしたら、迷惑でしょうか……
会いたいよ、零くん
可能なら今すぐ戻ってもう一度……
……………
……………
……なにを言ってるんだろうね、私は。
零くんにとって私は「お友達」なんだから。
やっぱり、ヘタな嘘をついてでも言わなくてよかったのかもしれない。
こんなこといきなり言われたら……困っちゃうもんね……
俯いて、溜息。白い息が見えた。
気がつけば自分の手が冷たい。すっかり冷えてしまったようだ。
ひぇぇ~さむいっっっ
ぶるっと身震いした後、寒さから身を守るように外套を深く被る。
……さて、帰ろうっと。
どうしよう、また走る?
ううん、歩く。冬の星空を眺めながら歩こう。

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