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とある場所
(一方、瓦礫混じりの砂埃巻き上がる中にて。)(倒れこむ男と、その傍らに薄氷色の影があった)
『全く、汝(なれ)はつくづく酔狂な』
(クツクツとまるでそれを楽しんでいるかのような声。それは男とも女ともつかない、不思議な和音。)
……だって、俺がどうなったってアイツらが助かればいいと思ったんだ。
(ぜぃぜぃと荒い呼吸をする男に『影』は問うた)
『其が間違った“正義”だとしてもか。我(わ)からすれば汝も異端である。
友を殺した幻に囚われ友を騙り人を騙す。汝の其は間違った正義を振りかざすという罪である』
──それでも
(男は答える。)
それでもそれは人間らしいと思わないか。人は間違えるものだ。間違えながらも進んでいくものだ。
……なぁ、アンタのカミサマは間違って、正そうとした人間すらも断じる方だったのか?
(影が動揺したように揺らめいた。そして)
『ふっ、はははは! 面白いことを云う。良いだろう、もう暫し汝に力を貸そう』
『全く、汝(なれ)はつくづく酔狂な』
(クツクツとまるでそれを楽しんでいるかのような声。それは男とも女ともつかない、不思議な和音。)
……だって、俺がどうなったってアイツらが助かればいいと思ったんだ。
(ぜぃぜぃと荒い呼吸をする男に『影』は問うた)
『其が間違った“正義”だとしてもか。我(わ)からすれば汝も異端である。
友を殺した幻に囚われ友を騙り人を騙す。汝の其は間違った正義を振りかざすという罪である』
──それでも
(男は答える。)
それでもそれは人間らしいと思わないか。人は間違えるものだ。間違えながらも進んでいくものだ。
……なぁ、アンタのカミサマは間違って、正そうとした人間すらも断じる方だったのか?
(影が動揺したように揺らめいた。そして)
『ふっ、はははは! 面白いことを云う。良いだろう、もう暫し汝に力を貸そう』
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冷たい青色の大理石の床と先の見えない天井。
辺りは静寂が支配し、時折なにかが足を引きずるような音だけが廊下の果てから木霊する。
今やこの地の生者は黙し
死者のみが嘆きと呪詛を振りまいている。
生と死が混ざり合う混沌の中で、神殿の主たる『紅の契約者』は何を思い、何を描くのか――……
(※特定の理由で"介入可能な状態"となった人のみ乱入可能)