ギルドスレッド
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プロメテウスの火
あぁ…なるほど、確かにね。
果物も野菜も朝採りが美味しいし、その分市が早まるのも仕方ないか…。
今年の無花果も瑞々しくて甘かったわ。
(思わずザルに山盛り買っちゃったもの、と目を細めて笑った。
賑わう市の喧噪に耳を傾けながら同じベンチに腰掛ける彼女へ金目を向ける)
あら、そうだったの。どこも収穫祭の用意で忙しくて結構だわ。
良い買い物が出来たなら何よりね、今の時期なら多少値段を吊り上げても売り切れそうだし。
私は雇い主からのお使いよ、そのついでに自分の私用も少しばかりね。
(大きい荷物は先に送ってしまったと話しながら紙袋を探る。
出てきたのは女の掌ほどもある大きな南瓜型のクッキーが一枚。
目にも鮮やかなオレンジ色のアイシングでコミカルなおばけ南瓜が描かれている。
それを何の躊躇もなく半分に圧し折り片方を隣の彼女へ差し出した)
一緒に味を見てくださる?
収穫祭向けのお菓子ですって、宣伝にもらったのよ。
果物も野菜も朝採りが美味しいし、その分市が早まるのも仕方ないか…。
今年の無花果も瑞々しくて甘かったわ。
(思わずザルに山盛り買っちゃったもの、と目を細めて笑った。
賑わう市の喧噪に耳を傾けながら同じベンチに腰掛ける彼女へ金目を向ける)
あら、そうだったの。どこも収穫祭の用意で忙しくて結構だわ。
良い買い物が出来たなら何よりね、今の時期なら多少値段を吊り上げても売り切れそうだし。
私は雇い主からのお使いよ、そのついでに自分の私用も少しばかりね。
(大きい荷物は先に送ってしまったと話しながら紙袋を探る。
出てきたのは女の掌ほどもある大きな南瓜型のクッキーが一枚。
目にも鮮やかなオレンジ色のアイシングでコミカルなおばけ南瓜が描かれている。
それを何の躊躇もなく半分に圧し折り片方を隣の彼女へ差し出した)
一緒に味を見てくださる?
収穫祭向けのお菓子ですって、宣伝にもらったのよ。
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その日の市は秋の恵みと冬の備えに沸いていた。
様々な作物に、ずらりと並ぶ肉類、近くの森で集めたろうベリー類がそこかしこに並んでいる。
いずれも新鮮なものから既に保存加工が済んでいるものまで様々だ。
近くの露店には、りんごの木の薪なども売られている。
他にも何か欲しいものがあるなら、探せば見つかるかもしれない。
そんな市の片隅に、買い物客向けの休憩所があった。
昨今、日を追う毎に風の冷たさが増しているからだろう。
座って休めるベンチの傍には火が焚かれ、予備の薪まで並べてある。
――これは、流石にりんごではないようだけれど。
ともあれ、時刻は市が始まって幾ばくかの頃合。
早々にやってきた客達は目当ての品を手に入れ家路につき、
遅れてやってきた客達は今まさに品々に目移りしている最中だ。
彼女は、早々にやってきた人間のうち一人だった。
ある程度の買い物は済ませたのだろう。
幾つかある包みは、ある物は木屑の詰まった箱にそっと入れ、ある物は袋にまとめて詰め込む。
いくらかの後、終わったのだろう。
ほっと一息つくとベンチに腰掛け、傍らに置いていた茶を飲みだした。