ギルドスレッド
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プロメテウスの火
休憩中にごめんなさいね、助かるわ。
(寄せられる荷物にありがとう、と笑みと礼を返す。
遠慮なく空いたベンチのスペースにするりと腰を下ろした。
火の弱まった焚火に視線を向けるも肩を竦めて)
今は陽射しがあるから大丈夫そうね、お気遣いどうも。
最近肌寒くなってきたし朝からの市は堪えるわね、美味しいものが多いのは嬉しいんだけど。
今の時期用意しなくちゃならないものが多くて大変だわ。
(足を組みながら女が溜息を零す。視線は当てもなく市場を彷徨って。
恐らく目的な隣の彼女と同じく、市終わりの値下げ品だろう)
そちらも随分大荷物ね、行商の方かしら?
何か良いものは買えて?
(寄せられる荷物にありがとう、と笑みと礼を返す。
遠慮なく空いたベンチのスペースにするりと腰を下ろした。
火の弱まった焚火に視線を向けるも肩を竦めて)
今は陽射しがあるから大丈夫そうね、お気遣いどうも。
最近肌寒くなってきたし朝からの市は堪えるわね、美味しいものが多いのは嬉しいんだけど。
今の時期用意しなくちゃならないものが多くて大変だわ。
(足を組みながら女が溜息を零す。視線は当てもなく市場を彷徨って。
恐らく目的な隣の彼女と同じく、市終わりの値下げ品だろう)
そちらも随分大荷物ね、行商の方かしら?
何か良いものは買えて?
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その日の市は秋の恵みと冬の備えに沸いていた。
様々な作物に、ずらりと並ぶ肉類、近くの森で集めたろうベリー類がそこかしこに並んでいる。
いずれも新鮮なものから既に保存加工が済んでいるものまで様々だ。
近くの露店には、りんごの木の薪なども売られている。
他にも何か欲しいものがあるなら、探せば見つかるかもしれない。
そんな市の片隅に、買い物客向けの休憩所があった。
昨今、日を追う毎に風の冷たさが増しているからだろう。
座って休めるベンチの傍には火が焚かれ、予備の薪まで並べてある。
――これは、流石にりんごではないようだけれど。
ともあれ、時刻は市が始まって幾ばくかの頃合。
早々にやってきた客達は目当ての品を手に入れ家路につき、
遅れてやってきた客達は今まさに品々に目移りしている最中だ。
彼女は、早々にやってきた人間のうち一人だった。
ある程度の買い物は済ませたのだろう。
幾つかある包みは、ある物は木屑の詰まった箱にそっと入れ、ある物は袋にまとめて詰め込む。
いくらかの後、終わったのだろう。
ほっと一息つくとベンチに腰掛け、傍らに置いていた茶を飲みだした。