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旅一座【Leuchten】

【RP】安寧の鳥籠


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いいね、ウタは好きだよ。何か聴かせてくれる?
ん…おやすい御用…。(そっと商人から離れて、テーブルに置いてあった楽譜を譜面台へおいて、ヴァイオリンを手に取ると、ゆっくりと演奏をしだす。)

(何処か懐かしいような、心休まる音色は、どこかで聞いたもので。次に歌い出したのは、先日聴いたあのウタだ。伸びやかなメロディと共にウタう。)
(人間の作り出した音と、凡そ人には発する事の出来ないオトを聴いてソファーでゆっくりとくつろぎ出す)

……うン。キミの出す音は美しいし、やっぱりウタが上手だねぇ。凄いね。

(ソレが少年の様に屈託無く笑む)
(おかえり)

(おかえり)

(うみはいつも、あなたがかえるのをまっている)

(最後は歌と演奏が合わさり、ハーモニーを奏でて。そして最後はゆっくりと終わる。)……ずっと、あのウタに合う…メロディを…考えていた…。
白鯨の君のウタに?人間の作った楽器の音を合わせるのは大変だったろうに。
大切な…ウタ…だから…こそ…メロディを付けたかった…。
大変さより…楽しさの方が勝った…から…苦じゃない。
この曲は…商人だけが…聞き取れて…分かればいい…。(楽譜を整えて机へと戻しながら)
そっかァ。素敵だった、嬉しいよ。(ソレがソファーから立って小鳥を抱きしめに行く)
んん…まず初めに…商人に聞かせようと思っていたから…。(抱きしめられ仄かに笑んで。)
(よほど嬉しかったのか、ソレの“幸福感”があなたに零れてくる) 白鯨の君もね、ニンゲンとして余生を生きてた時はキミみたいにいろんな音楽が好きだったんだ。きっとキミと気が合ったろうねぇ。(ぎゅうっと抱きしめながら)
ん……もし、その方が…生きていたら…色々と話をしてみたかったよ…。(溢れてくる感情に、普段あまり笑わない顔も柔らかく笑む。)
あァ、きっと喜んで歌い踊ってくれたことだろうね。ヒヒ……ありがと、我(アタシ)の愛しい小鳥。
んん…喜んでもらえて…良かった…。(幸福って、こんなにもふわふわとしたものなのだな、と商人の感情から伝わる感覚に擽ったさを覚えて。)
なにか、褒美はいる?(無邪気に首を傾げて)
ほう、び………何も考えてなかったし…不必要…。(フルフルと首を横に振って。俺が作りたくて作っただけだし、商人に聞いて欲しいからウタって演奏しただけだから…と付け足して。)
ん……でも、もし可能なら…まだ暫くこの幸福感を…。(頂戴と小さく言って)
いいよ、あげる。(おいで、とソファーへ手を引いて座らせようと)
ん……ありが、とう…。(ゆるゆると手を引かれて座り。)
(立ってると危ないかもしれないしね、と言って自分はその隣に座って小鳥を抱きしめ)

はい、それじゃあご褒美。

(とろり、とろり)

(その幸福感は、零れてくるものよりずっと濃い。とろり、とろり、例えるならばメープルシロップを煮詰めて、その中へ可憐な花を漬け込んだ様な。魂に舌があればきっと痺れているほどの美しく甘い懐古と安息、それらがたくさん混ぜられた幸福だった)

(とろり、とろり)
甘い……あ、まい……。(とろりとろりと、煮詰めたように濃厚な幸福感は、ヨタカの心の隙間を埋めて、埋めて埋めて、終いに埋めつくして、溺れて。溺れる感覚に甘さと、しびれを覚えて。ぼぅ…と酒に酔ったような、陶酔した感覚に思考は霧散して。自身が何を喋ってるのか、それさえ分からない。)
……おや、まァ。(自身の容量との差を失念していたソレが所有物(ことり)の顔を覗き込んで。そろり、とゆっくり身体を離してみようと)
(顔はどこを見てるのか分からない。目の前に商人の顔があるのも分かっていないようで。そっと離せば、その身体はグラリと横に倒れて。ぁ…だのぅ…だの、まるで歌声を失ったナイチンゲールの様に、小さく呻いている。)
うーン、気を遣ってる。この気持ちって、他のコと共有できないんだなァ……。(ちょっぴり寂しそうに)

おっと。そんな場合じゃあ無かった、呼び戻さないと。反応が無いのもツマラナイし……。(倒れた所有物を上から覗き込み、耳元へ唇を近づける) ーーヨタカ。おいで。
(声を耳へ吹き込まれた瞬間、ビクッと反応し。その後は息を吹き返し、ゆっくりゆっくりと起き上がる。)ん……。
(ひらひら、目の前で手を振って) あァ、戻ってきた。気分はどーぉ? 酔ってる?
なんらか…よっぱらってるみたいに…ふわふわする…。(でも、何処か気持ちが良くて、抜け出したくない感じがする…と呂律が少し回らない舌で喋って。)
酔ってるねぇ……でもまァ、気持ちが良さそうだしいいか。(くすくす。指先で小鳥の頬を撫でながら笑って)
んん……ふふ…。(頬を撫でられると心地良さそうに笑って。)
ん………?(くすくすと楽しそうに笑いながら首を傾げて)
キミは我(アタシ)の所有物なんだからね。忘れちゃだめだよ。キミは我(アタシ)のモノなのだから、自分について悩み煩わされることなど無くていい。そうだろう?
(あどけない少年や少女を思わせるその声が、言い聞かせる様な温度で)
ん……そう…なの…か…?(ふわふわとした頭で、回らない思考で答えて。)
そうだよ。キミは我(アタシ)の所有物。その目も、髪も、翼も、声も、須らく我(アタシ)が愛してる。だからキミは“自分”のことで悩まなくていい。だって、キミは我(アタシ)の所有物なのだからね。

(毒の様に甘い声が言の葉を刷り込みながら、白く美しい指が小鳥の顔の輪郭を戯れてなぞる)
そう、我(アタシ)の。キミは我(アタシ)の所有物。(優しく笑みを浮かべて)
ん…俺は…商人の…もの…。(ゆっくりと言葉は浸透して行き。こくんと頷く。)
いいコ。(するりと小鳥を撫でて。今度は慎重に、滴を落とす様に白鯨の君との幸福を分け与える)
(次に入ってくる幸福は、じんわりと温かさを感じて 、それでいて染み渡るようで。酔ったような感覚からゆっくりと戻っていく。)凄く…幸せだ…。
キミが幸せなら我(アタシ)も嬉しいよ、可愛い小鳥。(くすくす。あどけなく花の様な笑顔を見せて)
ん……沢山…幸せを…ありが、とう…。(花のような表情にこちらも表情が綻ぶ)
我(アタシ)の幸福で良いのならお安いごようさ。(ゆっくり指先を小鳥から離して、からかう様に鼻梁へ口付けを1つ落とそうと)
んん……(鼻梁に口付けられると、また幸福が広がるような恥ずかしいような感覚にモニョモニョして。まだ幸福感を与えてくれてるのだろうか)
……どうかした?(首を緩く傾げて顔を覗き込む)
いや…なんでもない…ありがとう。(不思議な感覚にこちらもよく分からず、自身の首後ろを撫でながら。兎に角感謝を述べる。)
そっかァ。(何か問題があるわけではなさそうなので小鳥から離れて)

じゃあ、我(アタシ)は仕入れに行こうかなァ。小鳥はどうする?
ん…仕入れ…(商人の仕入れに興味がある。いつもどんな感じなのだろうと。)
俺も……ついて行っても…構わない…?
(ほう。と呟いて緩く首を傾げ)

……2箇所行くけど、それでもよければ。
それは…勿論…。(手伝いもするし、と付け足して)
ン。それじゃあおいで、ヨタカ。(手を差し出す)
(ふわり、その場から朧の様に2人で搔き消え)

https://rev1.reversion.jp/guild/193/thread/8693

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