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ギルドスレッド

insomnia

街の中

日々の何処かで、
起きた出来事を切り取った。
何でもない夜のひととき。

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(星空をぼんやりと眺めている。数刻眺めたのち、不意に顔を顰めると薄暗い路地へと入っていった。)
(きょろきょろと周囲を見回しながら、薄暗い路地を歩く少女が――ここにも一人。
まるで鬼火のように揺らめく霊体の髪は、仄かな光を放ちながら夜道を照らしている。
されど表情はあまり明るい物ではなく、どこか不安げな色を浮かべていた)

……あっ。

(やがて、路地の向こうに見えてくるであろう、柔らかそうな亜麻色の髪の少女を目に留めれば、不思議そうに首を傾げる。
夜中に少女が――自身もそうだが――ともすれば治安も定かではない場所。
こんな所でどうしたのかと、興味を惹かれながら近づくだろう)
(目を伏せて物憂げな表情を浮かべる少女は路地に入ってゆっくり進む。歩みを進めるごとに薄暗い路地に仄かな明かりが広がっていくのだが、視線を地に向けて歩く少女は街灯と誤認して気づくことはなく。――だからこそ、その灯りが街灯でないと気づいたときに吃驚してビクッと肩を跳ね上げた)

(慌てて上げた視線の先には不思議な髪を持つ少女の姿。普段であれば人とすれ違わない様な時間、ただでさえ人通りが少ない路地に自分より幼い見た目と推察できる少女がいる。そんな、今まで1度もなかった出来事にほんの少しの不安と興味のような感情が沸いて声をかけてみようとするが――)

(だけれど、人付き合いなんてことをほとんどしてこなかった少女は言葉に詰まって立ち止まってしまう)
(相手の少女も存在に気付いたようで、近付きながら恐る恐る様子を伺う。
少しだけ年上だろうか。純朴そうな装いに、敵意や悪意は感じない。
だが、思いがけぬ場所で思いがけぬ遭遇に、戸惑っている様子を感じる。
どう声を掛けたものか――そう思いながら、小さな声でも届けられる距離で立ち止まり)

――……えっと。こんばんは。夜の……お散歩、ですか?

(しばしの逡巡の後。口をついて出てきたのは、ごくごく平凡な夜の挨拶。
胸に手を当てた小さなお辞儀に合わせて、ふわりゆらりと藤色の光が揺れる。
警戒心を抱かれないよう、少女なりに丁寧な所作を心掛けて接していく)

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