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黒蓮庵

【雑談ですよ】まあるい月影

もし貴方が黒蓮庵に足を踏み入れたならば、
この様な光景が目に入るでしょう。
ひとつは窓。
外からも見る事の出来た黒塗りの格子窓に、奥には円窓。
所謂和室と呼ばれる造りのようです。
ひとつは本。
低い2つの本棚に、綺麗に並べて入れられています。
…内容には偏りがある様ですが。
ひとつは宝石。
様々な宝石達が部屋の至る所で煌いています。
最後に白。
夜色に染まった庵の真ん中で、真白い少女が静かに佇んでいるのです。

「――ぁ…。こん、こんばん、は…?」
「もしかして、迷い込んでしまいましたか?」
「今日は綺麗な星月夜なの。どうかゆっくりしていらして」
「あまり人と話した事がないのです。宜しければ貴方の御噺を聞かせてくださいな」


ーーーーー
“今”は夜の帳が下りていますが、明るいうちに遊びに来てくれても嬉しいわ。

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ふう……前触れもなく暫く席を外し申し訳ない。
領地に関わる緊急の要件ともなれば、治める者として私は在らねばならないのでね。

……義理の姉たちが王子を愛していたか、自らの欲を求めたか、その判断は難しい。
切り落とすのは継母の指示でもあったが、それを行う決意は並大抵ではない。
物語の最後には灰かぶりの姉として共に並ぶ姿もある、それが幸福か否か……やはり私では判断が付かぬよ。
(通常とは異なる視点で見るベラに関心し、最後の血生臭い話は伏せる)

おや、新たな客人がいらしていたとは。
私はメニア・アルテグル・タイタニア。未熟ながら幻想の一画を治める身だ。
どうぞお見知りおきを。(胸に手を当て、礼儀正しく一礼)

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