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黒蓮庵

【雑談ですよ】まあるい月影

もし貴方が黒蓮庵に足を踏み入れたならば、
この様な光景が目に入るでしょう。
ひとつは窓。
外からも見る事の出来た黒塗りの格子窓に、奥には円窓。
所謂和室と呼ばれる造りのようです。
ひとつは本。
低い2つの本棚に、綺麗に並べて入れられています。
…内容には偏りがある様ですが。
ひとつは宝石。
様々な宝石達が部屋の至る所で煌いています。
最後に白。
夜色に染まった庵の真ん中で、真白い少女が静かに佇んでいるのです。

「――ぁ…。こん、こんばん、は…?」
「もしかして、迷い込んでしまいましたか?」
「今日は綺麗な星月夜なの。どうかゆっくりしていらして」
「あまり人と話した事がないのです。宜しければ貴方の御噺を聞かせてくださいな」


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“今”は夜の帳が下りていますが、明るいうちに遊びに来てくれても嬉しいわ。

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王都……とっても、賑やかですよね。わいわいと……人が、いっぱい。
紹介してもらった、お店の……簡単なお手伝い、だったけど。
それくらいなら……世界に、慣れてなくても。できるだろう……って。
(目を閉じて街の情景を思い出しながら)

お陰で……しばらくは、旅ができるくらい……お金も、もらえました。
カボチャのパイも、売ってたんですが……ハロウィン、そういう伝統、なんですね。
あちこちで、準備も、始まってますが……楽しみだなぁ。
(街が飴色に染まる日を想いながら、ふ、と小さく小さく微笑み)

旅は……地下にある、立派なお屋敷に……吸血鬼さんが、いたり。
教会の跡地に、住む……小さな妖精さんに、出会ったり。
いろんな人が……暮らしてるの。あちこちで……見て、きましたよ。
……あっ、ありがとう、ございます。私も、それ……読んで、みますね。
(お勧めしてもらった本をまじまじと眺め。灰かぶりの物語も、馴染みはないようだ)

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