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黒蓮庵
ウィリア君にそう言って貰えたこと、貴族として誇りに思おう。
もっとも、幻想という国において私のような貴族は稀だ。他の貴族と出会う際は気をつけた方がいい。
……ふむ、ざんげ女史も中々に博識のようで。
地域によってはイグニス・ファトゥスやジャック・オー・ランタンとも呼ばれているが、これらを少女の名とするには些か無骨ではある。ウィリア君は良き名を得たものだ。
そこまで驚かれるとは、仰々しく語った甲斐があるというもの。
とはいえ、あるのは小規模の農村が幾つかという辺境の小さな領だ。
先日行われたガブリエル伯爵のような祭事は、とてもではないが真似すら出来んよ。
もっとも、幻想という国において私のような貴族は稀だ。他の貴族と出会う際は気をつけた方がいい。
……ふむ、ざんげ女史も中々に博識のようで。
地域によってはイグニス・ファトゥスやジャック・オー・ランタンとも呼ばれているが、これらを少女の名とするには些か無骨ではある。ウィリア君は良き名を得たものだ。
そこまで驚かれるとは、仰々しく語った甲斐があるというもの。
とはいえ、あるのは小規模の農村が幾つかという辺境の小さな領だ。
先日行われたガブリエル伯爵のような祭事は、とてもではないが真似すら出来んよ。
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この様な光景が目に入るでしょう。
ひとつは窓。
外からも見る事の出来た黒塗りの格子窓に、奥には円窓。
所謂和室と呼ばれる造りのようです。
ひとつは本。
低い2つの本棚に、綺麗に並べて入れられています。
…内容には偏りがある様ですが。
ひとつは宝石。
様々な宝石達が部屋の至る所で煌いています。
最後に白。
夜色に染まった庵の真ん中で、真白い少女が静かに佇んでいるのです。
「――ぁ…。こん、こんばん、は…?」
「もしかして、迷い込んでしまいましたか?」
「今日は綺麗な星月夜なの。どうかゆっくりしていらして」
「あまり人と話した事がないのです。宜しければ貴方の御噺を聞かせてくださいな」
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“今”は夜の帳が下りていますが、明るいうちに遊びに来てくれても嬉しいわ。