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黒蓮庵

【雑談ですよ】まあるい月影

もし貴方が黒蓮庵に足を踏み入れたならば、
この様な光景が目に入るでしょう。
ひとつは窓。
外からも見る事の出来た黒塗りの格子窓に、奥には円窓。
所謂和室と呼ばれる造りのようです。
ひとつは本。
低い2つの本棚に、綺麗に並べて入れられています。
…内容には偏りがある様ですが。
ひとつは宝石。
様々な宝石達が部屋の至る所で煌いています。
最後に白。
夜色に染まった庵の真ん中で、真白い少女が静かに佇んでいるのです。

「――ぁ…。こん、こんばん、は…?」
「もしかして、迷い込んでしまいましたか?」
「今日は綺麗な星月夜なの。どうかゆっくりしていらして」
「あまり人と話した事がないのです。宜しければ貴方の御噺を聞かせてくださいな」


ーーーーー
“今”は夜の帳が下りていますが、明るいうちに遊びに来てくれても嬉しいわ。

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この庵に一人で……おもてなし感謝する、遠慮なくご馳走になろう。
(変わらず目を閉じたまま、間違える事無くコップに手を伸ばし一口)
……ふむ、この香りと味は紅茶では無いな。新しく出回っているという種類か。

よろしく、ルシウス君。なに、今は互いを呼び合えれば真偽の判断は不要なことだ。
君が君である、という本質には何ら影響あるまい。

丁寧な返事をありがとう、ウィリア君。
しかし疲れているのなら無理をしない方がいい、ウィリア君がうら若き乙女なら尚更だ。

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