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黒蓮庵
(その淡い燐光は、見れば遠目にもほのかに確認できるだろうか。
地面につきそうなほど長く、蒼白い炎のように揺らめく霊体の髪が、魔力の光を纏っている光景。
髪も、肌も、服も、全体的に白い出で立ちの少女が、庵へとふらふら近付いてくる様子が。
ここに辿り着くまでに疲労が溜まったのだろう、足取りは重くくたびれている様が見える)
わ、ぁ……不思議な、お花。それに……変わった、建物だけど……お家?
少し……休ませて、もらえるかな。
……あの。ごめんください。どなたか……いらっしゃいますか。
(見たこともない黒蓮の園に目を輝かせながら架け橋を渡り、玄関口を控えめにノックする。
声はか細く、気付いてもらえるかどうか。気付かれなければ、そのまま庵を後にするだろう)
地面につきそうなほど長く、蒼白い炎のように揺らめく霊体の髪が、魔力の光を纏っている光景。
髪も、肌も、服も、全体的に白い出で立ちの少女が、庵へとふらふら近付いてくる様子が。
ここに辿り着くまでに疲労が溜まったのだろう、足取りは重くくたびれている様が見える)
わ、ぁ……不思議な、お花。それに……変わった、建物だけど……お家?
少し……休ませて、もらえるかな。
……あの。ごめんください。どなたか……いらっしゃいますか。
(見たこともない黒蓮の園に目を輝かせながら架け橋を渡り、玄関口を控えめにノックする。
声はか細く、気付いてもらえるかどうか。気付かれなければ、そのまま庵を後にするだろう)
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この様な光景が目に入るでしょう。
ひとつは窓。
外からも見る事の出来た黒塗りの格子窓に、奥には円窓。
所謂和室と呼ばれる造りのようです。
ひとつは本。
低い2つの本棚に、綺麗に並べて入れられています。
…内容には偏りがある様ですが。
ひとつは宝石。
様々な宝石達が部屋の至る所で煌いています。
最後に白。
夜色に染まった庵の真ん中で、真白い少女が静かに佇んでいるのです。
「――ぁ…。こん、こんばん、は…?」
「もしかして、迷い込んでしまいましたか?」
「今日は綺麗な星月夜なの。どうかゆっくりしていらして」
「あまり人と話した事がないのです。宜しければ貴方の御噺を聞かせてくださいな」
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“今”は夜の帳が下りていますが、明るいうちに遊びに来てくれても嬉しいわ。