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幽玄のエルエネッセ

【うんちく♡】古武道とは何か

【総合武術】
天真正伝香取神道流
竹内流
琉球古武術
柳生新陰流

【剣術】
馬庭念流
鞍馬流
一刀流
神道無念流
天然理心流
タイ捨流剣法
兵法二天一流剣術
示現流

【居合術】
林崎夢想流居合術
夢想神伝流居合術
田宮流居合術

【無手術】
荒木流拳法
気楽流柔術
天神真楊流柔術
大東流合気武術
渋川流柔術

【杖術】
神道夢想流杖術

【槍術】
尾張貫流槍術
宝蔵院流槍術
佐分利流槍術

【薙刀術】
天道流薙刀術
直心影流薙刀術
楊心流薙刀術

【棒術】
九鬼神流棒術

【手裏剣術】
知新流
根岸流
柳生流
白井流
津川流


 此処にあげたのは、ごく一部であり選別に他意はない。
 幻想や練達で目に付く諸流派をあげてはみたものの、地球日本国の昔の武術は、狭いようで広い。
 諸国に生まれた流派、その全てを書き出すことはできんと途中で根をあげただけなのだ。

 上の一覧を見るに、一見区分けがなされているが、正確ではない。
 書き連ねて行くばかりでは読みにくかろう、という私の考えの上で、あえて区分けをしてあるのだ。
 何が正しくないのかと言えば、それぞれの流派に○○術と記されていること。

 日本国の昔の武術は総合武術といえる。
 剣術、刀を扱う術。その他の武器術。ないし補助としての徒手(柔術)があったりする。
 しかし、後世なんらかの理由――例えば宣伝効果であるとか、失伝した、最も優れていると自負する術だけを残した、などの理由で一つの術だけに特化されたものに変質したりしている訳だ。

 では何故、地球日本国の昔の武術は一つだけの武器を極めるという形にならなかったのか?
 これは簡単だ。
 素手より剣。剣より槍。そして槍より弓のほうが有利。
 これは普通に考えても納得の行く、ごく当たり前の理屈である。
 結果、諸流派には幾つもの武器術が伝承されているのだ。

 しかしそこには矛盾が生じる。
 例えば上でいうならば。最終的に弓が強いのならば、弓だけ極めればそれで良いではないか、という理屈。
 だが、これは為らぬ。

 例えば弓の達人が居たとして、不意に目の前に、剣術を極めた達人に立たれてはどうか?
 恐らくはたちどころに切り殺されてしまうだろう。
 ごく当たり前の物理法則によって強い武器であればあるほど、携帯が難しかったり、準備が必要だったりする。
 そして弓すら銃の前では、太刀打ちするのが難しいとも考えられる。
 ならばマシンガン、であるならミサイル。
 最終的には核を所有していれば最強か?

 そうではないな。
 つまり、何時如何なる時においても戦える。己を守る。
 そのためには総合的な力を身につける必要がある。
 拠ってこその『総合武術としての武術』が必要であり、実戦において必要に迫られての結果ということだ。
 そこで先人たちは工夫に工夫を重ねた。
 槍で突く動きをそのまま剣に、無手の突きに生かせぬものか。
 剣を振る動きを、手裏剣を投げる動きに転化出来ぬものか。
 試行錯誤の中で、流派の理念――味わいが形成され、練られ、形に凝縮されていった。
 それが流派だ。
 諸流派の動きは、一つの武器にしか使えぬ、などという矮小なものではない。
 あらゆる時事に対応出来る、もっともっと、奥深いものである。 

 私が好きな言葉だが『兵法、平法在らずんば兵法に非ず』というものがある。
 『兵法』とは武術の別称。
 『平法』とは平時における動き、心構えのこと。
 つまり最終的な武術、とは『平時』においても『非常時』においても使える術、であるということ。
 平時でも非常時でも使える――即ち『生きる』ために役立つということ。
 武術は、生きるための術というわけだな。

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 余談その2。
 私の召喚前の世界は、人類と人外が異能や巨大ロボを駆使して戦う世界だった。
 私はそこの住人から古武道の手解きを受けたが故に、既に魔法絡みで創意工夫されていたモノを授かっている身となるわけだな。

 具体的な創意工夫の例をあげよう。
 埜々島という古武道使いがいたんだが、彼は『古武術を、自前の異能や巨大ロボに活かせないか?』の方向で工夫していた。
 たとえば、コモン魔法『アンロック』――錠前を外す目的の魔法。
 その魔法は、埜々島の先祖が、電磁錠という複雑なものに対抗するため、雷属性の魔法に進化していた背景がある。
 当代の埜々島は、その先祖伝来である『雷属性のアンロック』を、蹴りから放てるようにした。
 結果『サンダーキックで錠前をぶち破る』という鍵開け魔法になったんだ。

 何をいっているのか分からんと思うが!多分進化しているんだろう!

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