薔薇は色んな種類があるな。色や本数で花言葉も全然違う意味になっちまったりする。
俺が一番好きなのは青い薔薇だが…お前に似合うのは情熱的な赤い薔薇だろうか？
(華奢な花瓶に活けられたのは一輪の蒼い薔薇。蒼薔薇が持つ花言葉は『奇跡』『神の祝福』ーー瑞々しい蒼の花弁を一別した後、席を立った吸血鬼は客人を招き入れる。客人改め新たな廃墟の住人は麗しい青年だ。長身に銀糸の長髪、廃墟の主とはまた違った色彩のヘテロクロミア。彼はミステリアスな雰囲気を纏う。)
えー、新入りさんラッシュもラストだ。彼はルナール・グルナディエ。
知ってる人も居るかもだが、ルーキスの相方さんだな。

『紅獣』ーー何故、お前が其の名を冠するのか興味が尽きないが。今、詮索するのは無粋だろう。
(つぅとヘテロクロミアを細めた吸血鬼は口角を吊り上げて笑みを深めて。)
ようこそ、化け物達の巣窟へ。楽しむのも恐れ戦くもお前次第だ。屋敷の主として歓迎しよう。
此れから宜しく頼むぜ？

確かに色や本数、蕾ですら意味が変わる薔薇は面白い。
･･･綺麗な花だが迂闊に触れば傷つける、そんな二面性に俺も惹かれているのかもな。
（花瓶に活けられた蒼薔薇に目をやり、ふっと表情を緩め）

丁寧な紹介ありがとう。
此方も改めて、俺はルナール・グルナディエ。
･･･普段から愛想が悪く見えるかもしれんが･･･
これが素で悪気は無いんでね、そこは慣れてもらえると助かる。
（と言いながら軽く一礼し）

あぁ･･･これ（紅獣）の意味か。
機会があれば色々、お互い･･･昔話を話すこともあるだろうさ。
（自分の胸元から見える赤薔薇を手で押さえるように苦笑し）

っと、此方こそ宜しく。
これからの過ごす此処での時間が楽しみだよ。