案外身近な所に綺麗な宝石の原石は転がってるモンだ。ローレットにとって、彼女はきっとそんな存在だったンだろうさ。
この屋敷に新たな住人とは久方振りだなァ…待たせてわりぃ。生憎、俺は夜行性なんだ。
(春も麗か。穏やかな風がやんわりと世界を包み込むーー筈も無く、道化師達が投げ入れた火種は今尚燻り続け。辛うじて建物の形を残すおんぼろ廃墟も、何処か浮き足立った雰囲気を纏う。館の主を名乗る吸血鬼は軋む門を開いては一人の女性を招き入れて。)
で、このお嬢さんの名前はクロジンデ・エーベルヴァイン。
俺とは戦尽剣の依頼で一戦交えた事があるが…元ローレットの受付嬢、更に今は依頼へ積極的に参加してるンで知ってる奴も居るかもなァ。

ようこそ、化け物達の巣窟へ。楽しむのも恐れ戦くもお前次第だ。屋敷の主として歓迎しよう。

こんばんはー、クロジンデ・エーベルヴァインだよー。
ボクも基本的に夜行性かなー、ラサは大体砂漠だから昼間は暑くてねー。

ボクはローレット所属の特異運命座標の顔とギフトは憶えるようにしてるから大体一方的に知ってるけど、依頼だと位相剣の人にはヤッキーの時に一緒してるー。物質透過が好きな人というか剣だよねー。