その姿は清楚さを誇る様な白い花弁で、マルガリテス──真珠を語源とする。
月の女神と木春菊の話を知って居るだろうか？この花の花言葉は『真実の愛』。馴染み深い奴も居るだろうが、アルテミスが最愛の恋人であるオリオンを射抜いてしまった神話が元になっているな。
(吸血鬼の白い指が弄ぶのは季節外れのマルガレーテ。血の気の無いこの女の指より更に真白い花弁は純潔の証の如く無垢である。古びた応接間の扉はぎぃと悲鳴の様な軋みを上げながらゆっくりと開き、館の主は一人の少女を招き入れる。主が弄んでいた花の様に少女は純粋で天真爛漫、特徴的なアメジストの眸は宝石の如く輝いていて。まるで春風の様な少女だった。)
えー、久々の新入りサンだ。彼女はハルア・フィーン。この前のリヴァイアサンとの戦で積極的に動いてたし、知ってる奴も多いかもなァ。

趣味は食べる事、特技も食べる事らしいので！我らが廃墟の主夫の出番かもな。
(くつくつと喉を鳴らした女が薄い唇を吊り上げれば、化物の証と言うべき牙が覗く。)
ようこそ、化け物達の巣窟へ。楽しむのも恐れ戦くもお前次第だ。屋敷の主として歓迎しよう。
此れから宜しく頼むぜ？

（ぺこりとお辞儀のあと、音立てて開いた扉の向こうへ一歩ずつ、屋敷の様子に目を奪われながら。そこに時経た物たちへの畏敬はあれど、恐怖より好奇心に胸躍らせて）
こんばんは、初めまして。ハルア・フィーンっていうよ。
このあたりを散歩してたら迷いこんじゃって、狼たちのお邪魔しちゃったところを、レイチェルに助けてもらったの。
リヴァイアサンとアルバニアの戦い、皆すっごく頑張ってて、ボクもお手伝いできてよかったよ。おつかれさま。

ここ、おかあさんいるの？！（主夫＝母親的なイメージらしい）楽しみだなぁ。ボクあまり敬語うまくないけど、失礼のないように心がけるよ。皆、よろしくね！

ハルアさんはようこそここへ。僕もギルド員のボトヴィッド。略してヴィとでもお呼びください。

ボトヴィッド、初めまして！ヴィって愛称も素敵だね、どちらで呼ぶか悩む…！よろしくね。