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ギルドスレッド

Dining Bar 黄鮫亭

【RP】それは運命によく似た

無辜なる混沌の何処かの国にあった小さな孤児院。
親と死に別れた。親の病気が治るまでの間の滞在(ロングステイ)。そもそも赤ん坊の頃に棄てられた。
様々な理由で集まってきた子供達と、センセイと呼ばれた大人が【家族】として暮らす家。

「贅沢は出来なかったけど生きていけるだけで幸せだった」と或る【事故で両親を亡くした少年】が言った。

「きっとこの先の生涯で出来ることはないだろう『親友』と出会えた」と、ある【親族の策略に寄り両親を殺された少年】がいった。

さぁ、思い出の栞は何処に挟んだだろう。
そのページは今尚続く人生の幾頁目か?
色褪せたインク、焼けた紙。全ては過去の事。

これは、〝リチャード・ハルトマン〟の【物語】

(※〝リチャード・ハルトマン〟以外の書き込みを禁ず)

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(今日はセンセイたちが慌ただしい。聞いたところによると孤児院(ハウス)始まって以来、前代未聞前人未踏のオオモノが今日、新たに家族になるらしい。)
(そんなに言われるとは、果たしてどんなヤツなのか。興味が尽きない。)
(そんなわけで僕は朝から孤児院(ハウス)で一番見晴らしのいい木の上にいる。ここからなら運動場で遊ぶ子達やかくれんぼをするチビたちの様子まで見渡せる、僕のお気に入りの場所だ。)
……あ。
(小さく声をあげた。視界には見覚えのない馬車。それがこちらに向かって歩を進めていた。きっとあれに違いない。)
(急いで木から飛び降りて馬車の様子を窺いに行く。玄関のそばの茂みならバレずに様子を観察できるだろう。)
(気づかれぬように茂みから新たな家族を見張る。やがて馬車から降り来てきたのは男のようだ。ただ、彼には両腕が無かった。そして)
……なんて、
(なんて空っぽの顔をしているのだろう。それが第一印象だった)
(夕食の時、女のセンセイが彼を皆に紹介した。)
『今日から家族になる、ベルウッドよ。仲良くしてあげてね』
(チビたちは「おにいちゃんがふえるね!」と喜び、年長組は「掃除とか押し付けられるな」と笑っていた。)
(孤児院(ハウス)ではよくある、いつもの会話だ。そんなことは誰も気にしない。新たな家族の経緯も、ここではただの不幸自慢にしかならないので誰もしゃべらないのが暗黙の了解だった)
(ただ、僕はどうしようもなく彼に惹かれた。いったいどの様な人生を歩めばあんなに『からっぽ』になれるのか。)
(食事を摂りながら彼を観察する。昼間見たときはなかった腕があった。義手って奴だろうか。あんまり食べないな、少食なのかな。それとも緊張しているだけ?トシは同じくらいかな。よし、あとで声をかけてみよう。)
(その日、彼は夕食を一口も食べなかった。)

やぁ、ベルウッドだっけ。なにか困ってない?
(自由時間に早速声をかけてみた。)
(何者かに声をかけれ、気だるげに振り返るとそこには赤茶色の髪の同年代くらいの男が立っていた。)
(きっと興味本意で声をかけてきたのだろう、そうに違いない。勘弁してほしい。)
……なに。そっとしておいてほしいんだけど。
(できうる限りの『近寄るな』『構うな』オーラを放ちながらソイツに答えると其れだけで明るい顔になった。なんだ、こいつ。俺の嫌いなタイプの人間だな。)
(話しかけるととても睨まれてしまった。まぁ、珍しいものまや見るような目で見ていたのは否定できなかった。それでも返事をしてくれるだけで嬉しくて口角が上がった)
よかった、センセイもチビたちも声をかけたら睨まれた、だの話しをきいてくれなかった、だの言われてたからさ。しゃべれないのかなーとかおもってた。(敵意がない事を相手に伝えるためににこにこと出来る限りの笑顔で話続ける。)

(それが彼の逆鱗に触れてしまったらしかった)
(どん、と強い衝撃と「ぶつかった」「倒された」と認識した時には彼が次の行動を始めていて)(『普通じゃない』その腕で一発、二発、十発。腕事態が重いのか、騒ぎを聞いてセンセイが来るまでに僕は酷い顔になっていた。)
(引き摺られるように引き離される彼を見て『違う、悪いのは僕なんだよセンセイ』『彼を悪者にしないであげて』なんて言葉は雑踏にかき消えてしまった)
(結果。僕は全治二週間の怪我をして、彼はすっかり孤児院(ハウス)の異端といわれるようになってしまった。)
(今では『人を殺したことがある』『悪魔と人間との間に生まれた』『死にたくなかったら関わらない方がいい』根も葉もない噂が飛び交っている)
(ちなみに当の本人は黙したままなにも語らないというので更に悪評に拍車をかけている気がする。このままではいけない。)
(センセイの目を盗み、彼の部屋の近くの木によじ登り、部屋のなかを見ると膝を抱えて『空っぽ』の目でどこか遠くを見つめていた。)
(震える手を諌め、窓をノックすると彼の目がこちらを向いた。驚いているようで、初めて彼の感情の籠った顔を見た)
『こら、あなたなにやってるの!?降りなさい!』
(センセイの声が聞こえる。やばい。すごく怒ってる。そういえば彼に近づかないように言われてたのすっかり忘れてた。)
(かちゃり、小気味いい音が鳴った)
(自分でも驚いている。なぜこんな、他人を気遣うようなことをしたのか分からない。)
(けれど本能的に『こいつは大丈夫』という確信があった。そうでなければあんなに酷いことをしたのにまた自分にかかわろうだなんておもわないだろう。)
……入れば。どうせあの人たちに怒られるなら、どうなったって同じだろ?
(ソイツは目を丸くしたあとに『ありがとう』と笑った)
(招かれた部屋はなにもない寂しいもので、僕が孤児院(ハウス)に来たばかりの頃を思わせた。)
(クローゼットには服が二枚。机の上には本もなく、部屋の隅で大きめの鞄がポツンと佇んでいた。)
あの鞄はキミの?
(再び膝を抱えて座り込んだ彼に訊ねた)
(訪ねられれば「そうだ」と答えた。次いで出た「何が入ってるの?」という問いにはなかなか答えられなかった。)
(答えればヒかれる気がした)
答えたくないなら答えなくていいよ。なにも聞かない。……ただ。
(相手と目線を合わせて、ゆっくりと告げる。)
僕と友達になろう?
(手を差し出して笑ってみる。相手の目にはどう映るだろうか、そんなことをかんがえていた。)
俺はお前を傷つけたのに?それでもお前は俺を友達だって言うのか?
(本当は『関わりたくない。』他人は汚い。他人は醜い。
自分が関わらなければ、傷つくことも傷つけることもないのだ。)

(だから、なにもしなかった。)
(何をされても、何を言われても関わらないように。沈黙を守ってきたのだ。)
(それなのに、)
(嗚呼、それなのにこいつは)

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