可愛いウェイトレス、金を落とす客、他愛ない世間話、歓迎するぞ 幻想のとある街の片隅で大体いつでも開いている小さな酒場。
店内にはカウンター席と丸テーブルを囲う席がいくつか。
カウンター内ではやる気のなさげなマスターがだらけている。

「客か…酒は置いてある、好きに飲んでいくといい。
但し、暴れて店を壊すような奴は容赦なく叩き出すからそのつもりでな」

そう言って指で示した張り紙にはこうある。
【完全セルフサービス。
　キッチン等使用自由。
　※食材代と使用料くらいは寄越せ】

初顔にはサービスなのだろう、マスター手ずから差し出される一杯。

「ついでに何か面白い話でもあれば、暇潰しにでも聞かせてくれ。
酒代を多少まけてやらんでもないぞ。」