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即席事務所と喫煙所

【RP】102号室:解放感溢れる工房

扉を開くとそこは荒野であった。
というか本来窓際の壁がある場所あたりから、外側から見た時の構造を無視して全く別の空間がつながっていた。

昼夜を問わず良く晴れた空。
遠景で噴煙を上げる山。
灌木も草木も風に囁く。
火山地帯らしき微かな硫黄臭と、草と、土の匂いがする。

足元からは地熱がじわりと伝わり、さりとて風がよく通って一年を通じて比較的気温は安定していた。

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(頭をひとしきり撫でて、よっこらせと立ち上がって、腰に片手剣を吊るした。)

俺は忘れるんじゃねえかな。
焼き払われた山肌を苔と蔦が這い、やがて草木が茂るように思い出さなくなるんだろう。
何とはなしに折に触れて思い出すような、思わず口元の綻ぶような心温まるようなものだけ残して。たまに香を焚き、静かに安寧を祈りながら新しい日を生きるんだろう。
(遠景に棚引く噴煙を眺め)
悲しみや憎しみだけを最後の縁にするのはちと俺には悲し過ぎるし、
そうしなければならないと思い詰めるほど自分を嫌ってもいないんでな。

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