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陽陰家
彼女は気付いた時には一人きりでした。
身寄りもなく、どうしてそうなったかの記憶もなく。
何より彼女には体の自由と、五感さえも満足に存在していなかったのです。
それでも、彼女は大樹を愛していました。
どうして孤独なのか、どうして自分はそうあるのかも知らず。分からず。
それでも彼女は直向きに、愛するファルカウと共に存在し続けます。
木々のざわめきを感じることが出来なくとも、その鮮やかな色彩を見ることが出来なくとも、触れた指先の感覚さえ分からずとも、その森の匂いを感じることが出来なくとも――その舌が味を理解できなくとも。
少女はそれでも絶望せず、その場に佇むファルカウと共に一生を過ごしたのだと言います。
きっと少女は幸せでした。
そして、少女と共にある大樹も幸せでした。
身寄りもなく、どうしてそうなったかの記憶もなく。
何より彼女には体の自由と、五感さえも満足に存在していなかったのです。
それでも、彼女は大樹を愛していました。
どうして孤独なのか、どうして自分はそうあるのかも知らず。分からず。
それでも彼女は直向きに、愛するファルカウと共に存在し続けます。
木々のざわめきを感じることが出来なくとも、その鮮やかな色彩を見ることが出来なくとも、触れた指先の感覚さえ分からずとも、その森の匂いを感じることが出来なくとも――その舌が味を理解できなくとも。
少女はそれでも絶望せず、その場に佇むファルカウと共に一生を過ごしたのだと言います。
きっと少女は幸せでした。
そして、少女と共にある大樹も幸せでした。
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