PandoraPartyProject

ギルドスレッド

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ポテチ

ある日のパンドラ幼稚園

●おはようせいせー!
 爽やかな朝の陽ざしの中、賑やかな子供たちの声が響く。
「さいちせんせーおはよーございまーす!」
「せんせーおはよー!」
「こら、待ちなさーい!」
 ゆっくりと歩く母親を置いて門の所に立つ先生に挨拶すると、子供たちは自分たちの下駄箱に向かう。
「子供たちは今日も元気だね!」
 その様子を園長室から見守るフォルデルマン園長。通称おうさま先生。
「子供たちを見守るのも大切ですけど、今日は予定がびっしりなんですから早く準備して下さい」
 フォルデルマン園長を急かすのは、うっかり園長先生の秘書になってしまったシャルロッテ先生だ。
「私も子どもたちと遊びたいのだが……」
「早く用事が終われば、延長保育の子供たちとなら遊べるかもしれませんよ」
 鞄に必要な物を詰め終えたシャルロッテ先生は、園長先生を引っ張って会議に向かうのだった。

「はーい。みんなおはよう!」
 今日も元気なオリヴィア先生が教室に入ると、部屋の中で遊んでいた子供たちが突撃してくる。
「おりびあせんせーおはよー!」
「はい、おはよ!」
 オリヴィア先生が担当するいるか組は今日も朝から元気いっぱい! 特にいつもぴかぴかタントちゃんは今日も輝いている!
「おはようございますわー! きょうも、かがやけ! みんなの! たんとさまー!! はげんきいっぱいですの!」
「きゃー! たんとさままぶしー!」
 びし! っとポーズを決めるタントちゃんに、周囲の子供たちはきゃっきゃと喜ぶ。
 賑やかなのはどのクラスも一緒だ。
 特に今はインターンのおにいさん、おねえさんがいるから、遊ぼうという声がいつもより大きい。そんな中、先生たちは今日の予定のすり合わせ。
「午前中、あるぱか組は遊具だっけ?」
 3歳児クラス統括のギルオス先生がボールペンで今日の予定を書いていく。
「砂場と遊具で遊ばせるつもりだ」
「ぺりかん組は川遊びだよ。ぞう組は室内遊び?」
「絵具出して大物好きに描かせるつもりだ」
 エディ先生とディルク先生の言葉に、遊ぶ場が重ならないことを確認した後は、時間をみてそれぞれ教室に向かう。
 今日も賑やかな一日の始まりだ!

●あるぱか組
 あるぱか組はエディ先生とカルネ先生。
 もふもふエディ先生と、お兄ちゃんみたいなカルネ先生をみんな大好き!
「今日は園庭で遊ぶぞ」
「やったー!」
「たいやのやつあそんでいい?」
「かくれんぼしようぜ!」
 元気いっぱいな朋子ちゃんに、ブレンダちゃんも大喜び。
「タイヤで遊んでも良いしかくれんぼもOKだ。ただし、怪我するようなことはするなよ」
「「「はーい!!!」」」
 早速体操服に着替えて園庭に駆け出すあるぱか組さん。
 タイヤの遊具にのって渡り切れるか挑戦する子に、砂場で泥遊びやごっこ遊びに集中する子。かくれんぼは隠れている子が本気すぎて、鬼役のラダちゃんが困っている。

●ぞう組
 ぞう組はディルク先生とイレーヌ先生。そしてインターンに来ている亮お兄さんとリリファおにいさ……お姉さん!
 例え亮お兄さんと同じ体系に見えても、リリファは可愛いお姉さん。そう、みんなと全力で遊んでくれる楽しいお姉さんなのだ!
「りりふぁの……り……!」
 絵具のついた筆でべたべたと用意した大きな紙に、青い空に赤い太陽、ふわふわ雲にみんなの手形!
「できたー!」
特に自信なのはリリファお姉さんの胸にかいた、りりふぁの「り」。でこぼこがなくて書きやすかったと子どもたちはご満悦。そのことに気づいていないリリファも楽しそうだ。

 一方部屋の中では大人しい子たちがのんびり遊んでいる。
 ぴょこぴょこ尻尾を揺らす子に、笑顔で両手につけた絵具を紙に押し付ける子。おままごとにきしごっこ。中には先生にべったりな子も。
 廊下にくらべて大人しいけど、どの子も楽しそうだ。

●いるか組
 いるか組はオリヴィア先生とガブリエル先生。
 今日は夏野菜のプチパンケーキ作り。
「良いですか? 火傷しないように気を付けてくださいね?」
 ガブリエル先生のことばに子供たちはげんきに手を上げる。だけどその視線は、オリヴィア先生が混ぜるパンケーキの生地に釘づけだ。
「いっぱいたべられる?」
「給食あるから一人二つまでだよ」
「えー」
 唇を尖らせる子に、オリヴィア先生がニッと笑う。
「それに、今日はゴリョウ先生が美味しいシチュー作ってたよ」
「しちゅー!」
 給食のゴリョウ先生は、ぽよぽよましゅまろで、とっても美味しいご飯を作ってくれるからみんな大好き! 特にカレーやシチューは、子供たちの心を掴んで離さない。
「それに他のクラスにも配るからね。じゃ、みんな一枚ずつお玉で生地を流していこうか!」

●ぺりかん組
 ぺりかん組はギルオス先生とバルバロッサ先生。
「せんせー! ざりがにー!」
「よぉし! 釣り方教えてやろう!」
 豪快なバルバロッサ先生がザリガニの釣り方を教える横で、ギルオス先生は木に登ったりする子を見守っている。
「怪我だけはしないようにねー!」
「ふぇりしあちゃんがざりがににぎゅーされたー!」
「えぇ!?」
 慌てて救急道具から消毒を取り出すギルオス先生。
「せんせー。おといれいきたいですわー!」
「来る前に行ったよね!?」
 お水を飲みすぎた子をつれてトイレにいけば、ザリガニ釣りをしていた子たちはいつの間にか川に入って水の掛け合い。
 帰る間に乾くかなぁ。なんて遠くを見るギルオス先生だった。

●きゅうしょくのじかん
「いただきます!」
 お楽しみの給食の時間。うさぎ組のレオン先生は配膳に大忙し。
「せんせー! ちっくちゃんがおしるこぼしたー!」
「しっぽじゃまー!」
「ぱん、もってきたー!」
 お茶を入れている間にお椀をひっくり返して、涙をためている子の着替えを用意して、インターンのユリーカに任せる。
「任せるのです!」
 自信満々に着替えさせ始めたのを見て、レオン先生は机に椅子、床を奇麗にして、少しだけ残しておいたシチューを入れる。
「せんせーおかわりあるー?」
「ねぇよ! 代わりにいるか組がパンケーキくれたからそれがデザートだ!」
「やったー!」
 マイペースに食べ進める子どもたちに振り回されていると、あっという間にお昼寝の時間。

●おひるねのじかん
 お昼寝の時間はよく眠れるようにあったかく。だけどなんだか設定気温よりもぽかぽかなのはなぜだろうとオリヴィア先生は良く思う。
 振り返れば丸くなったり、大の字でのびのびと広がってリして眠る子どもたち。
 きっと子供体温のせいだと思っていると、眠れなかった子がオリヴィア先生の服を掴む。
「せんせぇ?」
「ん?」
「なにみてるの?」
「きょねんの豆まきの写真だよ、見るかい?」
「うん!」
 膝の上にのせてあげれば、アルバムの中にはバルバロッサ先生扮した赤鬼に泣いて怯える去年の子供たち。中には泣きながら豆を投げるも、バルバロッサ先生の分厚い胸板に当たって跳ね返り、それが当たる子も。
「良い子にしてなかったら、鬼さん今年もやってくるぞー?」
「やだー!」
 写真の中と同じように涙目になる子どもをあやすと、ようやく全員眠りについた。

●おやつをたべて、さようなら
「せんせーさよーならー!」
「うむ。また明日」
 おじいちゃん先生ことレイガルテ先生に見送られて子供たちが帰っていく。
「お待たせー」
 迎えに来た母親に、あるいは父親や家族に抱き着く子供たちの表情は明るい。
「今日はねー、みんなでぐるぐるしたんだよー!」
「どんなぐるぐるー?」
「いすのまわりをぐるぐるー!」
「そっかぁ、椅子取りしたんだぁ」
 保護者と手を繋いで楽しそうに今日あったことを話す子供たちで園の周りは賑やかだ。
「ポテト、またあしたなー!」
「うん。またあした!」
 子供同士もちゃんと挨拶して帰っていく。
 今日もパンドラ幼稚園は平和です!

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