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町外れの古アパート

【ヴィルヘルムの部屋:105号室】

"Wilhelm"と書かれた飾り気のないシンプルなプレートのかけられた部屋だ。
鍵が掛かっていないのか、扉は簡単に開く事だろう。

小さな文机とシングルサイズのベッド、数冊の本がある以外には何もない。
ただただフローリングが広がるだけの、空虚な部屋だ。
部屋の主の心を、反映しているかのように。


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主にRP。
鍵(入室制限)はありませんので、何かありましたらご自由に入室ください。

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(男はただ静かに、窓から月を眺めている)

――……、……‥………

(無意識に紡がれた掠れた旋律は、どこの物ともわからぬ異国の言葉で出来ていた。
 紡がれた音の主である男にすら、理解のできない言葉なのだから。この世の誰にもこの歌の意味を理解する事はできないのだろう。
 それが酷く、男には恐ろしい事の様に感じられた)

……怖い、怖い、寂しい……底の無い穴が、ずっと広がっているみたいだ。

(己を見失ったまっさらな男は、身の内を苛む言い知れぬ虚無の中に沈んでいった。
 ……次に目覚める時には、この恐怖が消えている事を願いながら)

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