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町外れの古アパート

【ヴィルヘルムの部屋:105号室】

"Wilhelm"と書かれた飾り気のないシンプルなプレートのかけられた部屋だ。
鍵が掛かっていないのか、扉は簡単に開く事だろう。

小さな文机とシングルサイズのベッド、数冊の本がある以外には何もない。
ただただフローリングが広がるだけの、空虚な部屋だ。
部屋の主の心を、反映しているかのように。


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主にRP。
鍵(入室制限)はありませんので、何かありましたらご自由に入室ください。

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うぅ……できる限り気にしない様にするよ……
(降り注ぐ生暖かい視線に相変わらず気恥ずかしそうにしながらも、そう言葉を絞り出して)
……そっか。人が召喚されている以上、物も一緒に入ってくるのか。
こんな世界でも、やっぱりこれだけ沢山の人や物が流れ込んで来たら珍しくもなるのかな。
(ぱたぱたしている彼を、ぼんやりした目で見つめて)
恥ずかしく……?
好きな何かがあるのは良い事だし、恥ずかしがらなくても良いと思うけどな。
……そうやって頭で分かっていても、感情である以上そう簡単に制御できないだろうけど。
(私だって「褒められるのは良い事だから恥ずかしがるな」って言われても無理だしね。そう自虐っぽく笑って)

ああ、いや……そう大した理由ではないのだけどね。
ただ少し……自分自身に関するあらゆる記憶を無くしているだけで。
自分で自分がわからない、から。
周囲の人の印象で何とかこの穴を埋めようと足掻いている……それだけだよ。

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