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もふもふハウス

【二階】ソフィーの部屋(解放中)

大きめのベッドに、畳めるテーブルと椅子。それが置いてある普通の部屋。
現在解放中。

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そして揺れる視界の隅に、見知った顔を捉えた。
群がる民衆の向こう側に立っているのは‥‥領主。
彼は笑うでもなくこちらを見ると、国教の独特な8の字を空中に描くと、去っていった。
傍から見れば、ただ死んだ故人に祈ったように見えたかもしれない。
だが‥‥その時、やっと分かった。嵌められたのだ。
この民衆の怒りの刷け口として、忌み子の私を差し出した。

『私は‥‥』

痛みに耐えつつも、何とか声を絞る。

『やってない…!』
「あの人を殺しておいて、その口が……よくも、そんなことが」

私の声に反応するように、女性が口を開いた。
殴る手が止み、彼女が私の前へ進み出る。

手には、包丁。
きっと、私が吸った彼の、妻か何かなのだろう。

『私は、やって、ない』
「あの人を返して!」

っ……。
ドスッ、と。暖かいものが、お腹に広がった。そしてひやりとした感覚も。
腹に突き立った包丁。
一瞬後に襲う、強烈な痛み。

声にならない悲鳴を上げた私の腹から、刃物が引き抜かれる。
その瞬間に修復され、元に戻る傷口。

「化け物だ‥‥刺せ! みんなやっちまえ! 恨みを晴らせ!!」

次々に刃物を持ち出す民衆たち。
殴られるより遥かに耐えがたい痛みが、全身を襲った。
突き刺される。引き抜かれる。しかし次の瞬間には回復している。

吸血鬼の回復力にも限界はある。
所持している魔力を消費して、回復に回しているのだ。

私の刺し傷がだんだんと回復し辛くなり、
悲鳴を上げる声も枯れた頃。
兵士が民衆を止め、私をまた牢まで連行していった。
引きずられるままに牢の中で拘束された私には、二日間だけ休息が与えられた。
魔力を自然回復させる時間だ。
そのころには回復力もほぼ元通りまで戻っている。

そしてまた、来た。


「出ろ」


今度の広場に置かれていたのは、積み上げられた木に、周囲を囲う石、その上に置かれた、ヒト1人分はある巨大な金属製の網。
その網に引き倒されると、暴れる身体を網に括り付けられる。
手も足も、体も動かせなくなった私の下で、木に火が入れられた。

──熱い。
──熱い。
──熱い。
──熱い。
──熱い。
──熱い。
──熱い。
──熱い。
──熱い。

それは、私の身体のほとんどが炭になる5日間の間続いた。
喉が渇いていた。体の感覚が無い。
声も掠れたものさえ出ない。

魔力が切れかけた私は、また牢に繋がれた。
2日間。回復力が戻るまでの、束の間の休養。

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