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もふもふハウス

【二階】ソフィーの部屋(解放中)

大きめのベッドに、畳めるテーブルと椅子。それが置いてある普通の部屋。
現在解放中。

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「では、襲ったのは‥‥」
うん、あなたの勘通りで間違いない。この印は彼のものだから
「本当に間違いないんだな?」
ないといったらない。まだ疑うの?
「い、いや、そういうわけじゃない。気に障ったのなら謝ろう」
それはよかった。じゃあ捜査はこれで終わり?
「ああ、終わりだ。呼び立てて悪かったな」
報酬のためだし悪く思う必要はないとおもうけど。うん、頑張ってね。

私は人間の捜査官にふわりと笑うと、その場を離れる。
報酬の受け渡しは、郊外の建物だ。
さて、あの領主は私にどんなものをくれるんだろう。

久々にいい気分に浸りながら、私はその場所へと向かう。


領主に通されたのは、ひとつの部屋。
入ると、両手足を拘束された一人の男がそこにいた。

これは誰?
「死刑囚だよ、人間のね。人殺しをしたらしい」
ため息が出た。
人間は人間を殺す。どうして仲間を減らすような真似をするのか、はなはだ疑問だ。
それで、報酬は?
「彼さ」
……は?
「いや、そんな顔をしないでくれ。彼は死刑囚で、報酬は彼。あとは‥‥分かるだろう?」
……それは契約で禁止されているはずだけど。
「人間の捜査に協力した報酬さ。君の大好きな勇者も怒ったりしないさ」
……そんな心配してない。それに彼は友人。彼は恋人もちゃんと人間にいる。冗談でもやめてあげて。
「ははは、そんな怖い顔をしないでくれ。分かってる」
本当にいいの?
「ああ、いいとも。初めてだろう? 存分に吸うといい」
…………。

そっと、男に近づく。死刑囚だという彼は動くこともなく、そこにいた。
首筋から、血の匂いがする。まだ暖かな、魔力の気配。

……いただきます。

がぶり、と。
私は彼の首筋に噛みついた。

牙が皮膚を破り、暖かな血へ触れる。
それを私はそっと、飲み込んだ。

――嗚呼。これが、生身の血の味‥‥。

気が付けば、夢中で血を飲み干す自分がいた。
甘く爽やかで濃厚な味か口に広がり、巡る魔力がぞわりと体中に広がっていく充足感。
確かにこれは、クセになりそうだ。

その時私は、気づいていなかったのだ。領主がいつの間にかいなくなっていることに。

ガチャリ。背後の扉が開く音。

既に男は私の腕の中で、冷たくなっている。
食事中に入ってくるのは誰だろう。

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