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夜空の下の小さな館

【PPP4周年記念SS】ユリーカの『ないない』チャレンジ +α

※このSSは個人製作です。実際のNPCとは異なる所作が発生している場合があります※

 とある日のローレット。
 何やらあちこち騒がしく、イレギュラーズ達もギルドマスターのレオンも外出中で不在。
 そんな折……物陰でこそこそと動く、(どこがとは言わないが)小さな情報屋の姿があった。

「ふっふっふ……」
 ユリーカ・ユリカ。ある意味ローレットで一番有名……かもしれない情報屋(見習い)。
 その手にバールのようなもの(正式名称不明)を携え、密かに突き進む彼女の目的はただ一つ。

「4周年おめでとう、の為にも必要なことがあるのです!
 すなわち……4周年記念チャレンジ、さらなる『ないない』なのですよ!」
 なお、今回の話は後に恩恵があるであろう『ないない』とはまた別の話である、と先に記載しておこう。


 こっそりこそこそ、ローレットの中にある金庫を目指して。
 途中、愛らしいにゃんを追いかけて別の部屋に入ったと思ったら……おや、色んな荷物に隠れて存在する、豪勢そうな怪しげな箱が!
(おかしいのです……昨日までこんな箱なかったのです。)
 荷物をかき分け拾い上げ、さてはレオンがこっそり隠したのですか? と首を傾げつつ……まぁないないには関係ないから戻しておくのです、と机の上に置き直……そうとした所でおーっとうっかり手が滑った!

 あっ、箱が机の角に激突して中から『バキャ』って音がした。
 そして箱が開き、中のよくわからない宝玉っぽい何かが転がり落ちそうになり……ユリーカは手を伸ばしたのだがうっかりバールのようなものを持ったままだったのでそのままフルスイング。宝玉(?)はバールのようなものにヒットして吹っ飛び、壁に当たってバリンと割れた。
 その瞬間、辺りが眩いばかりの光に包まれて……

 気が付けば、宝玉割ったからのろわれました……なんてことは全然なくて。
 心地よいぬくぬくな感触に目を開けば、部屋はいつのまにやらふわふわでぎゅうぎゅう。にゃーにゃーみゃあみゃあごろごろすりすりころんころん。

「にゃ…にゃんが沢山でにゃんだらけなのですー!?」
 色んな毛並みの猫で溢れかえった部屋の真ん中で、ユリーカの叫びがこだました。


「……つまり。例によって例のごとく『ないない』しようとしたら、結果として猫だらけになった、と」
「うぅ、レオンの視線が冷たいけど端折るとおおむねそうなるのです……!」
 数分後。さっきより猫が減った(イレギュラーズ等に声をかけて猫に対応してもらったらしい)部屋の中で、じゃれてくる猫を適当にあしらいつつ仁王立ち状態のレオンと、猫だらけの部屋の真ん中で正座させられたユリーカ。

 レオンは猫だらけの部屋の壁に、何やら破損があるのを見つけて…猫をかき分けて進んだ後、落ちている宝玉(?)の破片を拾って何やら納得したようにうなずく。
(そういう事か。ただ『ないない』しただけならおしおき案件だが……今回は例外だな)

 ローレットを密かに賑わせた案件……『イレギュラーズ以外でしか操作も破壊もできない魔法道具を用いて猫等を攫いどこかに閉じ込めている』事件。イレギュラーズ達に依頼を出すにしても操作・破壊の為の協力者が必要な上、肝心の魔法道具がどこにあるのかが不明だった為、情報を集めている途中だったが……灯台下暗し、レオン不在の間にローレットの荷物に紛れ込ませているとは。
 探し出せれば(空中神殿には行けるがイレギュラーズではない)レオンや、他の情報屋でも破壊自体は可能だったが……偶然破壊したのがにゃん大好きなユリーカになるとは思いもよらず。

 まぁ、この案件は『何故か今朝、外出前に姿が見えなかった』ユリーカにはまだ話せていなかった事……そもそも『ないない』しようとしてなければ他の情報屋等から聞けてたんじゃないかね、とは思うのだが。
 その辺りはしばらく後に話すとして……レオンは今回のユリーカへの処遇を通達する。

「普段ならおしおき案件だが、今はこうも猫だらけだからな。
 飼い主が見つかれば家へ帰すし、他の猫達もイレギュラーズ達に声はかけてるからその内行き場は見つかるだろう。
 それまで……ちゃんと責任もってかまってやれよ、ユリーカ?」
 つまり、しばらく猫まみれ。沢山の猫は可愛いけどお世話は大変だ。

「う、嬉しいけど数が多すぎるのです! 猫トイレとかカリカリとかはローレットから支給されるのですか……って、待って翼にじゃれないでくださいです、飛行種は狩りの対象じゃないです、あぁぁぁかじかじはやめてー!」

 その後、応援(ねこめあて)のイレギュラーズ達がやってくるまでの間、ユリーカはしばしにゃんまみれの刑(ごほうび)に処されるのであった。
 ないないを行うはずが猫まみれになったユリーカの様子を、とあるイレギュラーズが『にゃいにゃいチャレンジ』と形容し、どこかに書き残したとかしないとか。

 にゃいにゃいチャレンジの事が広まったかどうかはともかく。
 猫も良いので、めでたしめでたし。

【PPP4周年記念SS】
ユリーカの『ないない』チャレンジ +α(『にゃいにゃい』チャレンジ) 完

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おまけSS『ざんげするなら、ねこがすき』 ※2021/07/28 23:47修正

 さて、そんな風にユリーカがにゃんまみれになっていた頃……空中神殿にて。

「おや……子猫、でごぜーますか」
 カソックの女等と形容される女性……ざんげの前に、愛らしくみゃあみゃあ鳴いてころころ転がる子猫が3匹。
 そっと座って様子をみるざんげは、『この空中庭園に子猫がいる事』に関して不思議がる。

 そもそも空中庭園、混沌内外を問わず特異運命座標(イレギュラーズ)に覚醒した者が召喚されたり訪れる事はあっても、それ以外の訪問者は……例外的に訪れる事ができるたった一人の人間以外にはあるはずもなく。
 ましてや、どこかから子猫が迷い込んでくる可能性は『この子猫達がイレギュラーズである』以外には考えられなかった。つまり、召喚等に関する説明が必要なのである。……のだが。

 説明しても名前を聞いてもみゃあみゃあにゃあにゃあころんころん。
 空中神殿であっても混沌法則……とりわけ『崩れないバベル』は作動しているはずであり。言葉が通じてないはずはないのだが……

 子猫達は、ここ(神殿)が心地よいとばかりに柔らかい体を丸め、すやすやと寝始めて。
「……まぁ、たまにはいいでごぜーますね」
 彼等が再び起きて、説明を聞いてくれるか、他の存在……レオンかイレギュラーズが訪れるまで。
 しばしの間、ざんげは子猫を眺めるひと時を過ごすのだった。

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